「医療崩壊」が医師たちの間で大きな話題となった2006年の医療界。2007年は、医療の崩壊を招いた原因を分析し、しかるべき対策が打たれる「医療再生」の始まりの年とならなければならない。どこから手を付けるべきか? 「日本の医療はおかしな方向に進んでいるのではないか?」。多くの医師が漠然と感じていた異常感を、虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏は、2006年5月に上梓した自著の書名で明確な言葉にした。 『医療崩壊』――。同書が呼び水となって、これまでいわばサイレント・マジョリティーだった勤務医たちはインターネットなどを通じ声を上げ始める。それが大きなうねりとなり、「医療崩壊」は今日の医療を取り巻く空気を的確に表すキーワードとして瞬く間に医療界に定着した。 勤務医の「立ち去り型サボタージュ」が増加 「医療崩壊」が何かを一言で説明するのは難しいが、現象として最も分かりやすいのは、地域の基幹病院の勤務