電力経済研究 No.61(2015.3) ) - 17 - 米国PJMエネルギー市場における市場支配力監視の 設計と課題 ―局所的市場支配力の緩和策と市場評価― The policy design and issues of market power monitoring in the PJM energy market: The mitigation of local market power and market assessment キーワード:市場支配力監視,局所的市場支配力,Three Pivotal Supplier Test,入札上限規制 井上 智弘 規制撤廃後の卸電力市場において,低廉で安定的な電力供給を実現するためには,競争が機能しな ければならない。そのためには,市場支配力の行使を防ぐ仕組みが不可欠となる。本稿では,競争的な 市場と評価される米国PJMのエネルギー市場に
経済・エネルギー需給の将来展望には人口がどうなるかを見極める必要がある。 以下では、2025年までの人口展望の概要を紹介したい。 1. 避けられない少子・高齢化と人口減少 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(2002)によれば、日本の総人口は今後数年以内にピークを迎える。少子化が加速し、1970年代後半以降、合計特殊出生率(一人の女性が生涯に生む子供の数の指標)が人口維持水準2.08を大きく下まわり、その影響が現れ始めるためである。国立社会保障・人口問題研究所推計は、唯一の公的な将来推計値であるが、5年に一度しか公表されないことや、地域別世帯数については、推計結果の公表がかなり遅れるため、当所では、独自に人口予測モデルを開発し、これを使って地域別の人口及び世帯数を推計している。 各地域の人口水準を求めるためには、年齢階層別に死亡率、地域間人口移動及び出生数を求めて推計する。死亡率は
本ページは、1990年代から2000年代前半にかけて、放射線ホルミシス効果の検証を目的として実施したプロジェクトの概要を紹介しております。ただし、現在のホルミシス効果に対する当所の見解は「放射線ホルミシス効果に関する当センターの見解」の通りであり、ホルミシス効果を人に対する低線量放射線の影響として一般化し、放射線リスクの評価に取り入れることは難しいと考えております。 低線量放射線研究センターが設立される前の1993年から、東北大学、東京大学、東邦大学、京都大学など14の研究機関の参加を得て、放射線ホルミシス効果を検証するプロジェクトを実施しました。 その後、外部の大学医学部。薬学部などに赴き、当所のこれまでの研究結果を説明し、放射線ホルミシス効果を検証するプロジェクトへの参加を呼びかけた。 1993年には、東北大学、東京大学、東邦大学、京都大学など、14の研究機関の参加を得て、 (1)老化
長期エネルギー需給見通し(2015年7月)では、2030年断面の原子力発電の電源構成比を20~22%としているが、そのためには原子力の維持・活用が重視されている。一方、これが達成されなかった場合に、我が国の経済にどのような影響が及ぶのかを詳細に研究した成果は多くない。 原子力発電の電源構成比の見通しが達成されないことが、2030年までの我が国の経済にどのような影響が及ぶかを検討する。具体的には、当所で開発したマクロ計量経済モデル、産業連関モデル、エネルギー間競合モデルを用い、2030年断面の原子力発電比率が長期エネルギー需給見通しで想定された22%から、仮に7%ポイント程度低下し、その不足分をLNG火力や再生可能エネルギー電源で補てんした場合(以下、LNG補てんケース/再エネ補てんケース)と、長期エネルギー需給見通しで想定するエネルギーミックスが達成された場合(長期エネルギー需給見通しにお
- 46 - スマートメータデータの活用方法 The Present and Future of Smart Meter Data Utilization キーワード:電力需要, スマートメータ, 家庭部門, 省エネルギー, 節電 小松 秀徳 西尾 健一郎 電力各社によるスマートメータ(次世代電力量計)の本格導入に向けた動きが加速している。メータか ら得られる時刻別データの有効利用が期待されているものの,活用目的およびその基盤となる分析技 術について,知見の蓄積や体系化は十分になされてこなかった。そこで,スマートメータデータ活用に資 する分析技術について,文献調査により動向や課題を整理する。さらに,家庭用需要家のエネルギー 効率利用支援を進める上で重要となる,冷暖房使用傾向の推定等に着目して,需要分析技術の検証 を行う。推定精度に改良余地はあるが,平日午後に在宅・エアコン多消費傾向にある世
経済産業省が2015年7月に公表した長期エネルギー需給見通しでは、2030年断面の原子力発電の電源構成比を20~22%程度としている。仮にこれが未達となった場合、我が国の経済にどのような影響が及ぶだろうか。本試算にあたり、以下を想定した。 長期エネルギー需給見通しで想定するエネルギーミックスが達成された場合(2030年断面の原子力発電比率は22%と想定)を基準ケースとする。次に、2030年断面の原子力発電比率が、15%へと7%ポイント低下し、その不足分をLNG火力や再生可能エネルギー電源で補填した場合を、それぞれ、LNG補填ケース、再生可能エネ補填ケースとする。この両ケースにおける、対基準ケース比でみた実質GDPや業種別生産額、設備投資額、家計所得への影響を、当所の経済・エネルギーモデル群を用いて試算した。 2030年断面の実質GDPは、基準ケースと比べ、LNG補填ケースで約2.5兆円、再
電気事業制度改革が開始された1990年代、わが国の電気料金は、諸外国と比較して高いことがOECDなどから指摘されていた。その後、世界的な燃料価格の上昇や各国のエネルギー政策等に基づく公租公課の増加などを背景に、諸外国の電気料金は上昇しており、わが国との料金格差は縮小されてきた。しかし、東日本大震災以降、わが国の電気料金は再び上昇しており、改めてわが国の電気料金水準に関心が寄せられている。上記に加え、電気料金水準はその国の電源構成やエネルギー政策等に大きく依存する。そのため、国際比較を行う際は、単純にその水準を比較するだけではなく、その背景にある要因を把握した上で、比較評価する必要がある。 電力中央研究所報告 Y11013[1] 「電気料金の国際比較と変動要因の解明-主要国の電気料金を巡る事情を踏まえて-」の料金の国際比較部分のデータを直近の2016年までアップデートするとともに、ディスカッ
Copyright 2015 CRIEPI. All rights reserved. (一財)電力中央研究所社会経済研究所ディスカッションペーパー(SERC Discussion Paper): SERC15003 電気料金の国際比較 -2014年までのアップデート- 筒井 美樹 一般財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所 2015年6月1日 要約: 本資料は、電力中央研究所報告 Y11013 「電気料金の国際比較と変動要因の解明 -主 要国の電気料金を巡る事情を踏まえて-」 の料金の国際比較部分のデータを 2014 年まで アップデートするとともに、料金水準に影響を与える要因である各国の電源構成や、電気 料金の構成比(欧州のみ)など、基礎的な情報について追加したものである。また、電気 事業のシステム改革に続いて、ガス事業についても自由化が進展すると見込まれており、 わが国においても「
ii ©CRIEPI 背 景 一般家庭へのスマートメータ設置が進み,A ルート 1) による電力需要データの収集・ 活用が可能となりつつある.この電力需要データを,見守りサービスなど需要家の利便 性向上やデマンドレスポンスなど効果的な節電に役立つサービスへ繋げる技術として, 電力需要データを用いて居住者が在宅しているか否かを推定する在・不在判定が注目さ れている.しかし,Aルートの計測値は 30分間隔で 100Wh単位と低解像度であり,これ をそのまま利用しても高精度の在・不在判定は困難である(図 1) . 目 的 低解像度の A ルート計測値を用いて高い精度で在・不在判定を行う手法を開発し,そ の判定精度を検証する. 主な成果 1. A ルート計測値を用いて高精度の在・不在判定を行う手法の開発 図 2 (1) に示すような Aルート計測値をそのまま入力として在・不在判定 2) を行う手法
報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。 概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております) 地球温暖化の進行をゆるめるためのCO2大幅削減にむけ、省エネルギーは最も優先すべき対策の一つである。経済的に妥当な費用で実施できる省エネルギー対策が多いとの報告があるにもかかわらず、それらの多くが何らかの理由によって実施されないままとなっている。こうした省エネルギーの障壁(省エネルギーバリア)の理解は、政府による省エネルギー政策の正当性を議論する上で
タイトル(和文) 再生可能エネルギー電源大量連系に対応する柔軟性資源計画モデルの開発-蓄電池やデマンドレスポンスを考慮した最適電源構成の検討- タイトル(英文) Development of Optimal Power Generation and Flexibility Resource Planning Model for Power Systems with Large-scale Renewable Integration Considering Battery Energy Storage and Demand Response 概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております) 背 景 将来、再生可能エネルギー電源(以下、再エネ電源)の連系量増加によって、周波数制御や需給バランス調整のための調整力必要量が増え、蓄電池やDRなどの従来電源以外の調整資源が必要となる可能性がある
電力中央研究所 研究資料 固定価格買取制度(FIT)による 買取総額・賦課金総額の見通し(2017 年版) NO. Y16507 2 0 1 7 年 3 月 電 力 中 央 研 究 所 一 般 財 団 法 人 -1- ©CRIEPI 固定価格買取制度(FIT)による 買取総額・賦課金総額の見通し(2017 年版) 朝野 賢司*1 *1 社会経済研究所 エネルギーシステム分析領域 主任研究員 電⼒中央研究所 研究資料 固定価格買取制度(FIT)による 買取総額・賦課⾦総額の⾒通し(2017年版) 社会経済研究所 主任研究員 朝野 賢司 平成29年3⽉ 研究の背景と⽬的 背景 2015年7⽉に発表された⻑期エネルギー需給⾒通し(以下、エネミックス)では、⾮ 化⽯電源⽐率(対発電電⼒量⽐)を2030年44%とする⼀⽅で、⽕⼒・原⼦⼒等の燃 料費に固定価格買取制度(以下、FIT)の買取総額
●著作権など 当コンテンツ(文章、図表、写真、動画など)の著作権は、特に記載のない限り電力中央研究所(以下、当研究所)に帰属します。私的使用のための複製・引用等著作権法により認められる場合を除き、当研究所の許可なく改変・翻案・複製・転載・送信・送信可能化・譲渡・二次的著作物の作成等の行為をすることはできません。引用の際には適宜の方法により出所を明示してください。 ●アクセスログ(または、ログの取得) 当コンテンツでは、利用された方のログを自動的に記録しています。ログには利用された方のコンテンツ内の選択項目、利用日時が含まれますが、個人を特定できる情報を含むものではありません。ログは当コンテンツの保守管理や利用状況に関する分析、研究へのフィードバックのために活用しますが、それ以外の目的で利用することはありません。 ●免責事項 当コンテンツにおける最適なエアコンの選定結果等は、当研究所による研
このたび電力中央研究所 エネルギーイノベーション創発センターで開発した「エアコン選定支援ツール(ASST)」をWEBサイトにて公開いたしました。 開発の経緯 従来の畳数めやすを用いてエアコンを選定すると、現在の住宅の熱負荷値から求めたエアコンよりも過大な冷暖房能力の機器が選ばれ、消費電力量の増大につながることが指摘されています。畳数めやす以外の選定方法も存在しますが、省エネに寄与する適切なエアコンを選定する方法は見当たりません。そこでエアコン選定の判断材料のもとになっている規格等の調査やメーカ等へのヒアリング、Web調査(のべ約3,000人)を行い、抽出された課題に基づき新たなエアコン選定方法の検討を行いました。その結果を踏まえ、独自のシミュレーションデータベースを構築し、生活者の住宅仕様、ライフスタイル、嗜好の重視度合いを考慮して省エネかつ適切なエアコンを自動で選定できる、「エアコン選定
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く