タグ

ブックマーク / fuyu-sha.hatenadiary.org (5)

  • 『階級「断絶」社会アメリカ』を読む、その3 - 都市浮遊者の雑記

    第III部 それがなぜ問題なのか マレーは建国の父たちが唱えた「小さい政府」の考えに戻らなければならないという 今までのテータをもとに、マレーは小さい政府を支持する。 第14章 アメリカ社会の選択的崩壊 アメリカにはかつて相互扶助のコミュニティがあった。特にフィッシュタウンでのその崩壊が顕著である。 マレーはノスタルジィと批判される可能性を自覚しつつも、濃密なコミュニティに価値を見いだしているが、現代の都市生活者は否定的だと思う。 第15章 建国の美徳と人生質 幸福と関係するのは家族、仕事、コミュニティ、信仰の4つの領域である。これらは建国の美徳とも関係し、フィッシュタウンでは特に幸福度が低下している。 日ではやはり信仰というのはピンとこない。コミュニティも都市部ではどんな幸福をもたらすのか。 第16章 分つことのできない一つの国 今までの話は、白人だけにしぼっていたが、結局はアメリ

    『階級「断絶」社会アメリカ』を読む、その3 - 都市浮遊者の雑記
  • なぜ低所得者層の肥満率は高いのか - 都市浮遊者の雑記

    ベッカー教授、ポズナー判事の常識破りの経済学を読んで人間行動の撹乱について考えてみた。 「ベッカー教授、ポズナー判事の常識破りの経済学」によれば、低所得者層の肥満率は高いらしい。これは古典的な経済学による分析より人間行動から考える方がわかりやすい。肥満やギャンブル依存、アルコール依存などは、どのくらい先のことを重要視するかにより、なりやすさが左右される。とすれば、低所得者層に肥満が多いことも不思議ではない。低所得者層の大半は、将来のために貯蓄すること、人的資を高めること(つまり我慢して勉強すること)などが苦手なのだ。従って目先の快にとらわれ、将来にトラブルを生み出してしまう。 先のことをどれくらい重要だと見積もるかの差で成り立つビジネスをもう一つ挙げて見よう。 サラ金もそうだろう。これもどのくらい先のことを重要視するかによりうまく利用できるか地獄に堕ちるか決まるだろう。時間の経過で金利が

    なぜ低所得者層の肥満率は高いのか - 都市浮遊者の雑記
    nabinno
    nabinno 2011/05/08
    "肥満やギャンブル依存、アルコール依存などは、どのくらい先のことを重要視するかにより、なりやすさが左右される。とすれば、低所得者層に肥満が多いことも不思議ではない。"
  • 親子三代にわたる生活保護 - 都市浮遊者の雑記

    ニュースでタイトルの内容に付いて取り上げていた。 この手の問題でいつも思うのは、親が生活保護だからという環境要因が重視されるが、遺伝的な要因に付いてだれも触れないなということである。もちろん、生活保護になる遺伝子などはないが、困難にチャレンジする傾向、問題処理能力などは親に似ている部分があるはずである。 同じニュースで生活保護お金をもらったらすぐギャンブルやお酒につぎ込む人も取り上げられていた。私は自己決定権を尊重したいのでそれは人の勝手であるとの立場を取るが、気分が良くないのも事実だ。ただ、このような人たちは広義の時間選好と言うか、先のことをどれくらい重視するかという部分が現代社会にマッチしていないのだろう。 遺伝的な傾向にある程度原因があるとすると、彼らに自己責任はどこまであるのか。なかなか難しい問題だ。ただ、民間がボランティアで福祉を行うようになると、保護費を無駄に使う人はあまり

    親子三代にわたる生活保護 - 都市浮遊者の雑記
  • 答と行動と - 都市浮遊者の雑記

    経済学の入門書を読むと、人はアンケートに答えたことと同じ行動をとるとは限らないということが書いてある。建前と音と言い切ると問題がありそうだが、重なる部分は大きいと思う。レヴィット*1はこのギャップをうまくにしたとも言える。例えば、「超ヤバい経済学」に出てくる以下の例だ。通りの自分が歩いている側にホームレスがいる場合と通りの反対側にホームレスがいる場合でお金を渡す割合が違うというものだ。慈善的な意味合いからホームレスお金を渡しているなら通りを渡ることくらいなんでもないように思うのだが、人間の音はそこにはないということなのだろう。 このような答えと行動のギャップが日で起きているちぐはぐなことの原因の一つであるようにも思える。例えば、大企業の進出により中小の商店が閉鎖に追い込まれるなどという。中小の商店はかわいそうだと。しかし、閉店の原因は大企業ではない。中小の商店で買い物をしなくなっ

    答と行動と - 都市浮遊者の雑記
  • 犯罪の生物学 - 都市浮遊者の雑記

    参考文献 D.C.ロウ 「犯罪の生物学 遺伝・進化・環境・倫理」より 犯罪を犯すことに遺伝的な傾向はあるのだろうか。政治的な問題になりやすいこのテーマに付いて、現在わかっていることをわかりやすくまとめたのが書である。書の用意した答えは条件付きながら「ある」だろう。しかし、その答えはほとんどの方が想定するものとは違うはずだ。 書では、双子研究や養子研究、生理学的研究、遺伝子変異と人間行動の関係に関する研究などをとりあげて解説している。 第2章で著者は双子研究と養子研究から犯罪を犯す傾向には遺伝性があると結論する*1。骨相学の誤りからの反動で、犯罪はすべて社会的な要因が原因とされている風潮に警鐘を鳴らしているようだ。 第3章では進化的な視点から犯罪を捉える。特に犯罪に性差があることの説明は重要であろう*2。 第4章は非常に興味深い。安静時の心拍数と犯罪の関係は知らない人がほとんどだろう。

    犯罪の生物学 - 都市浮遊者の雑記
  • 1