百貨店が店舗内で営業する画廊。おおむね「美術部」といわれる専門部署が企画・運営・販売のすべてを担っている。代表的なのが、1907年に「美術部」を創設した三越と、09年から継続して展覧会を催してきた高島屋である。従来、絵画や工芸品を取り扱うことが多かったが、昨今は現代アートにも力を入れ始めている。百貨店は創業時から美術展を催していた。もっとも早いのは、04年、三越の「光琳遺品展覧会」で、その後09年、高島屋の「現代名家百幅画会」が続いた。14年には三越で「日本美術院再興記念展」、15年には同じく三越で「二科会美術展覧会」など、在野の美術団体による展覧会場としても利用された。こうした百貨店における展覧会は、美術家に対しては売上の何割かを手数料として徴収する一方、観覧者に対してはほとんど無料で、いわゆる「シャワー効果」を狙った客寄せ事業として考えられていたようだ。戦後になると、百貨店は新聞社との
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