ローン減免制度の利用状況 東日本大震災で自宅を失った被災者らの住宅ローンなどを減免する新たな制度を利用して、借金を整理できた人が受け付け開始から1年余を経ても、わずか71人にとどまっている。1万人の利用を見込んでいたが、制度の周知不足や金融機関の消極的な姿勢などに原因があるとみられている。 政府の方針を受けて、銀行業界と日本弁護士連合会などが昨年7月、「個人版私的整理ガイドライン」を策定した。金融機関と被災者の話し合いで、一定の財産を残したまま、自己破産せずに借金を帳消しにできる仕組みだ。被災後に新たにローンを組んで「二重ローン」の重い負担に陥ることを防ぐ狙いがある。 被災者の資産や返済計画を査定する第三者機関によると、昨年8月22日から今月7日までに、この仕組みを利用して債務整理が成立したのは71人。内訳は宮城県46人、岩手県12人、福島県7人など。利用を希望して手続きを進めている