嘆かわし事ですが、カジノ関連書籍が如何に少ない事か。わが日本は地方自治体を中心に誘致構想こそあれど、法案成立に至っていない。その事と無関係では無いだろう。 本書は2007年刊行と云う事もあり昨今のマカオの隆盛は織り込まれていない。ネバダ州立大学でカジノ経営学を専攻した中條辰哉氏によるもので、カジノの仕組み、カジノの魅力に引き込まれる人間の心理、そしてラスベガスのカジノ産業の変遷が過不足無く纏められている。 カジノエンターテイメントは常にカジノを中心としてミュージカル、コンサート、遊園地などを配している。ハイローラー(1回の滞在で高額のプレイをする人、whale=鯨とも呼ばれる)が束の間のクールダウンで癒されたり、ファミリー層のテーマパーク的な利用にも配慮されている。それらは全てカジノ収益を最大化させる事、リピーター喚起の緻密なシステム構築の結果である。 また、反社会的勢力との癒着、マネーロ