大学で社会科学系の学部にいると必ず読まされるのが、 マックス・ウェーバーの、 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1904年)、 通称「プロ倫」です。 私も学生時代に「プロ倫」の授業が激しく眠かったのですが、 働き始めて、この著作のすごさが身にしみてきました。 職業は神に与えられた「天職」であって (今でも英語では天職をCallingと言いますよね)、 勤勉と倹約と効率化は天国への道であって、 神のための労働でお金を貯めるのは摂理である。 働いてカネを稼ぐという世俗的なことが、 プロテスタンティズムによって倫理的なお墨付きをもらい、 資本主義がこんなに発展した、というのは、 宗教と世俗の結婚といいますか、かなり衝撃的でした。 では仏教はどうだったのか? というのが、この本の主要なテーマです。 著者は、ヨーロッパでプロテスタントが起こるより800年も前に、 同じ考えを説く仏教者が