2009年は「コレクター」の年だった。おそらく日本で最も著名な現代美術コレクター•髙橋龍太郎氏による「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」が昨年から全国各地※1 を巡回し、日比谷にはコレクションルーム「高橋コレクション日比谷」がオープンした。「アートソムリエ」を自称するコレクター•山本冬彦氏はコレクション展が時折ギャラリーで開催されているが、今年は初となる著書『週末はギャラリーめぐり』(筑摩書房、2009年8月)を発売し、来年は佐藤美術館で「~サラリーマンコレクター30年の軌跡~ 山本冬彦コレクション展」(2010年1月14日〜2月21日)が開催予定である。以上の二氏が東日本の作家のコレクションを中心にしているコレクターとすれば、西日本の作家を中心にしたコレクションで知られるのが田中恒子氏だ。和歌山県立近代美術館では「自宅から美術館へ 田中恒子コレクション展」(2009年9月8日〜11