回答 1872年(明治5年)発行の政府紙幣「明治通宝」のほか、日本銀行が発行した銀行券(お札)についても、1885年(明治18年)の発行開始以来、円のローマ字表記はすべて「YEN」となっています。 「円」を「EN」でなく「YEN」と表記している根拠は、はっきりとしていませんが、以下のようなさまざまな説があります。 (1)発音上の理由 「EN」は外国人が発音する「エン」より「イン」に近いものになるとして、Yをつけて「YEN」としたのではないかとの説です。ちなみに、幕末日本を訪れた外国人の記録には、「江戸」を英語で「YEDO」と表現したものがあります。 (2)諸外国の語句との区別 「EN」は、オランダ語では「〜と」、「そして」の意、スペイン語、フランス語では「〜の中に」の意を持つ、よく用いられる語であるため、これらと同じ表記を回避したとの説です。 (3)中国の「圓(注)(ユアン)」からの転化