Special Report 男女比が崩れた中国では本当に女性は「選び放題」なのか? ―中国北京市の婚姻登録業務データからわかった結婚の実態― 少子高齢化時代に入った成熟社会の日本にとって、晩婚化・非婚化問題は大きな社会問題となっているが、中国の場合、地域によってはすでに少子高齢化時代を迎える「未富先老」(豊かになる前に高齢化が進む)となり、日本以上に深刻かつ複雑な状況になっている。 中国では、世間でもドラマの題材として、「剰女」と呼ばれる30歳前後の未婚女性がしばしば取り上げられる一方、「結婚できない男」は2020年に3000万人から3500万人に達する見込みで「男余り」の状態も深刻であることはよく指摘されている。 これらの問題の背景には、70年代末から実施された「一人っ子政策」の影響により、男女の人口バランスが崩れていることがある。すなわち、男女比(女性100人当たりの男性の数)の問題