メンタルヘルス問題へのアプローチ 近年、働く人のメンタルヘルスが悪化しているといわれており、『患者調査』(厚生労働省)などの公的統計をみても精神疾患数は増加傾向を辿っている。こうしたメンタルヘルス問題に対しては、産業保健や医学などの分野で数多くの研究が蓄積されており、原因の解明や職場・企業・国レベルでの多数の対応策が打たれている。 メンタルヘルスの要因はさまざまなものがあるが、働く人にとって、職場での働き方は重要な要因となりうる。たとえば、長時間労働が続いたり、仕事の裁量が小さかったり、配置転換や転職の機会が少なかったりすると、ストレスが増大し、メンタルヘルスが悪化しやすいだろう。 一方で、職場での働き方を分析対象とする労働経済学の分野では、これまでメンタルヘルス問題は必ずしも多く研究されてこなかった。日本人の働き方といえば、このところ、長時間労働是正やワークライフバランス、ダイバーシティ
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