東京都心を中心に不動産市況の回復基調が鮮明になってきた。世界的な金融緩和の流れの中で、国内外の資金流入が加速。「オフィス内需」が頭打ちとなる中、回復を本物にできるだろうか。 不動産市場がにわかに活気づいている。REIT(不動産投資信託)の値動きを示す東証REIT指数は、足元で急速に改善し、12月に入って1年7カ月ぶりの高水準となった。三菱地所など大手デベロッパーの株価も11月に軒並み年初来高値をつけた後、高値圏での推移が続いている。 短期資金流入と構造的な需給ギャップの解消。2008年秋のリーマンショック以降、低迷し続けてきた不動産市況に薄日が差しているのは、2つの要因が同時に浮かび上がったからだ。 「少しでも高い利回りを求めてさまよう資金」。ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフ・エコノミストがこう言い表すように、国内外の投資マネーが今、日本の不動産市場に“漂着”している。 積極的な