金正恩体制下では初めてとなる日本と北朝鮮の政府間協議が始まった。ともに韓国の李明博政権との関係が悪化している“奇妙な一致点”もある中、日本側としては拉致問題を議題に乗せ、拉致被害者の帰国につなげたい考えだ。これまで拉致問題は「解決済み」としてきた北朝鮮が、新体制でどこまで変化したかを見極める機会ともなる。 「きちんと協議してくる…」 29日午前、北京に向かった外務省の小野啓一北東アジア課長は言葉少なに羽田空港を出発した。到着した北京国際空港では、報道陣の問いかけに一切無言で車に乗りこんだ。 「簡単にことが運ぶと楽観視していない。根気強く交渉していかなければならない」 玄葉光一郎外相は29日の記者会見で、こう予防線を張った。思うような成果が得られなければ「人気取りのためのパフォーマンス」(自民党の山本一太参院議員)との批判が野田政権を直撃しかねないからだ。 とはいえ、金正恩第1書記が父親の金