全要素生産性(TFP)を測定する際には通常、セクターiからセクターjへの名目中間投入額を、セクターiの生産物に関するデフレーターで実質化することにより実質中間投入の寄与を計算する。しかしこの方法では、一部の産業や企業が独自に開拓した海外のサプライヤーや現地法人から特別に安価に調達する中間財・サービスを増やすと、経済学者はこれらの産業や企業の実質中間投入が減少したと誤認し、そのTFP上昇を過大評価する危険がある。これをオフショアリング・バイアスと呼ぶ。Erwin DiewertやSusan Housemanの研究をはじめ、米国を中心にこの問題が関心を集めている。 本論文では、日本の非競争輸入型産業連関表と輸入品と国産品の価格データを用いて、これらのデータを直接用いて算出した各産業の実質中間投入の変化と、米国のようにこの情報が無いため、各中間財についてすべての投入産業で輸入中間財投入額/国産中