67回目の「終戦の日」である15日の靖国神社には、民主党政権となって初めて2閣僚が参拝したが、野田佳彦首相は中国や韓国に配慮して「自粛」した。喧噪(けんそう)と静寂が入り交じった境内では、首相の靖国参拝を改めて要求する主張とともに、わが国の領土・主権に対する周辺国の挑戦への憤りと危惧の声がこだましていた。(阿比留瑠比)無意味な参拝自粛 この日、境内で開かれた戦没者追悼中央国民集会で、67年前の昭和天皇による玉音(ぎょくおん)放送(終戦の詔書)のテープが流されると、にわかに雨が降りだした。 「堪へ難きを堪へ忍び難きを忍び以(もっ)て萬世の為(ため)に太平を開かんと欲す」 玉音放送がこの部分にさしかかると雨は大粒になって降り注ぎ、放送終了とともにぴたりと上がった。 「この国はまさに暗雲が漂っている。国家の代表(首相)が靖国に行かないとあえて宣言するとは…」 「英霊にこたえる会」の中條高徳会長は