石油開発大手の石油資源開発は3日、秋田県でシェールオイルの採取に成功した。 採取は国内初で、国産資源の開発や、掘削技術の向上につながるとの期待が出ている。ただ、推定埋蔵量はわずかで、日本のエネルギー不足を解消する決め手にはなりそうにない。 実証試験が行われたのは、同県由利本荘市の鮎川油ガス田。同社は、来年度に試験生産を始めたい意向だ。推定埋蔵量は500万バレルで、日本の石油消費量の1日分程度しかない。秋田県全体でも1億バレルにとどまり、日本が権益を手放したイランのアザデガン油田(推定埋蔵量260億バレル)など、世界の大型油田と比べると、規模はごく小さい。「日本のエネルギー需給に与える影響は軽微」(石油資源開発)という。 それでも、採掘技術を蓄積できる意義は大きい。シェールオイルは、米国のほか、カナダやロシアなどでも開発が進んでいる。日本の商社や石油元売り大手なども、海外でシェールオイルの権
シェールオイル採掘場所 石油開発大手の石油資源開発は3日、秋田県由利本荘市にあるガス田の泥岩層から、石油(シェールオイル)を掘ることに成功したと発表した。シェールオイルは、すでに米国などで商業生産が本格化しているが、日本で掘り出されるのは初めてとなる。 オイルが出たのは、由利本荘市の「鮎川油ガス田」の深さ約1800メートルにある「頁岩(けつがん=シェール)」と呼ばれる泥岩層。同社は1日から商業生産に向けた試験採掘として、塩酸などをポンプで送り込んで周りの石灰岩を溶かす作業を開始。3日朝、溶かしてできた隙間からごく少量のオイルを採ることに成功した。 シェールオイルは、地中深くの岩盤に含まれている原油のこと。今までは技術的に掘ることが難しかったが、近年の採掘技術の進化で、新たなエネルギー資源として注目されている。石油資源開発は試験採掘が成功したことで、今後、商業生産に向けた準備を進める。
石油開発大手の石油資源開発(東京都)は1日、秋田県由利本荘市の鮎川油ガス田で、新たなエネルギー資源として世界的に注目を集める原油の一種「シェールオイル」を採掘する実証試験を始めた。 国内での採掘は初めて。 シェールオイルは、シェール層と呼ばれる地下の硬い岩盤に含まれる原油。同社は秋田県内に所有する油田3か所の岩盤層で、シェールオイルの存在を確認、試掘を決めた。 この日は、米国で成功例のある採掘方法を用い、塩酸などを岩盤に注入して石灰石を溶かし、シェール層に隙間を作る作業を行った。隙間ができれば、2日夜にも採取できる見込み。 同社国内事業本部の横井悟副本部長は「どのくらいの量を採取できるか不明だが、採取方法を確立する第一歩になれば」と話した。同社は同県内で5年以内に計500万バレル程度の生産を目指している。
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