あの真夏の熱狂が、遠い昔のことのようだ。歴史的な政権交代から約2年9カ月。政権党である民主党が26日、事実上分裂した。引き金を引いたのは皮肉にも政権奪取の立役者だった小沢一郎元代表。民主党政権樹立後、刑事被告人となり、党内のすべての役職を失った自称「一兵卒」が、この日の72人による造反劇を主導し、民主党解体を決定的なものにした。 26日午後の衆院本会議場。消費税増税法案の採決で小沢氏は反対の意思を示す「青票」を感慨深げに見つめた後、一票を投じた。席に戻ってもしばらくの間、立ったまま笑顔で壇上の投票箱を見入った。 「よしっ」「よしっ」 小沢氏は本会議場を出ると、廊下や階段でこう声をあげた。高揚感に浸ったときの小沢氏の口癖だ。連携してきた鳩山由紀夫元首相も含め72人が造反したことによほど満足したようだ。 小沢系はその後、衆院議員会館の会議室に集結した。その数、衆院43人、参院14人。小沢氏は盛