世界の発展に伴い、都市化が進んでいる。今や人口の半分が都市に住み、2050年までに約30億人が新たな都市住民になると予想される。都市への人口流入の理由は単純である。農村への依存度が低下するにつれ、仕事や買い物、人との出会い、余暇などを都市が提供する機会が増えているからである。一方、都市に住む利点は、住民がこのような機会を捉えられるかどうかに左右される。そのため、都市住民に優れた交通アクセスを提供することが不可欠であり、都市の交通問題といわれる。 どうして「問題」なのか、米国の都市の運転事情について考えてみよう。米国の都市部では車で1km走るのに1分半~2分かかる。都市住民は複数の選択肢の中からどの交通手段を選んでいるか、交通経済学者の分析によると、車で移動中の時間の価値は賃金の約半分と見積もっていることがわかった。従って、ドライバーは1kmあたり約30セント払っていることになり、これに燃料