消費税率引き上げとセットで創設が決まった「社会保障制度改革国民会議」が早くも宙に浮いている。自民党が「国民会議より衆院解散・総選挙が先だ」と反対しているためだ。会議の構成メンバーすら決まらず、このままだと社会保障制度の改革論議を置き去りにして、増税だけが着々と動き出す事態になりかねない。 国民会議の創設は8月22日に施行された社会保障制度改革推進法に盛り込まれた。そこで何を議論するのかといえば、公的年金と医療保険、介護保険、少子化対策の社会保障4分野だ。法律は国民会議について「施行日から1年を超えない範囲において政令で定める日まで置かれる」と定めている。 つまり、来年夏までには国民会議を設置して、社会保障4分野の改革案を具体的に決めなければならない。 年金では、現在は見送られているマクロ経済スライドの発動や厚生年金保険料の上限引き上げ、支給開始年齢の68~70歳への引き上げ、医療では70歳