恥をさらすようだが、結婚した当時の我が家にはオーブンレンジというものが無かった。電子レンジも無ければ、トースターさえもない。故に食卓だけは、いつも昭和の光景であった。 年も押し詰まった1994年12月。オーブンレンジと共に華やかな年末年始を過ごしたいと願った我々夫婦は、意を決して中山競馬場に出かけたのである。すると、10R冬至S・サクラローレル→11RスプリンターズS・サクラバクシンオーの「サクラ転がし」が見事成功。そのままの足で家電量販店に向かい、念願のオーブンレンジを購入することができた。 今も我が家の食生活を支えている17年モノのオーブンレンジには、サクラバクシンオーへの感謝を忘れぬようにと貼り付けたテプラが今も燦然と輝いている。彼には17年間に渡る我が家の食生活を支えてくれた恩があるのである。 種牡馬の訃報が続く。1993、94年のスプリンターズステークスを連覇した名スプリンター・
皐月賞の話は明日に回して、まずは今日の東京8レースの話。 1000万条件のダート1600m戦にフルゲート16頭が揃った競馬は、圧倒的1番人気のアドマイヤロイヤルの完勝だった。父キングカメハメハ、母マストビーラウドという血統の4歳牡馬は、アドマイヤムーンを異父兄に持つ良血。2007年のセレクトセールで1億5500万円で落札された高馬だ。 「……そしてゴール入線後に、エフティフローラ号がバッタリと転倒してしまいました。馬も騎手もまったく動きません」 馬群がゴールを過ぎて、手元の競馬新聞に目を落としたその時、場内実況が異常を知らせてくれた。目を向けると、確かにゴールを過ぎたあたりに馬が倒れており、さらにその先に馬から投げ出されたように騎手が横たわっている。そしてさらなる事実を実況が伝えると、場内からどよめきが上がった。 「騎手は……、武豊騎手です!」 やがて武豊騎手は自力で立ち上がると、覚束ない
先日、森毅・京大名誉教授がお亡くなりになった。82歳。直接お話する機会こそ無かったが、大学で数学を専攻した身として衝撃を受けないと言えば嘘になる。思い起こせば、大学時代にむさぼり読んだテキストのほとんどは森先生の著作であった。 数学とギャンブルに密接な関わりがあることは言うまでもない。ギャンブルが数学を生んだ、とまでは言わないが、ギャンブルが数学のいちジャンルの「確率論」を生んだことは、まず間違いないだろう。一つのサイコロを続けて4回投げ、「六の目が少なくとも一度は出る」という結果に賭ける行為は、果たしてどれくらい有利なのか?これは賭け事が大好きなフランスの貴族メレが、数学者パスカルに問うた有名な問題である。サイコロを1回投げて六の目の出る確率は1/6。だから、これを4回くり返せば、確率は4/6(=0.67)になる。当時の人たちは、このように考えていたらしい。 だが、この“少なくとも”の部
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