影響力増し課題も 全国の書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶ「本屋大賞」の選考方法が、9回目の開催となる今回から一部変更されている。「本気の文学賞として発展するため」(浜本茂・実行委員会理事長)だが、今や本の売り上げに多大な影響を持ち、それゆえの課題も見えてきた同賞の信頼性を高めるためにも、今回の試みに期待したい。(文化部 村田雅幸) 変更点は二つ。従来は、ノミネート10作を決める1次投票に参加しなくとも、大賞を選ぶ2次投票に参加できたが、今回からは1次投票を行った人のみが2次に進めるようにした。さらに2次投票の際、自身の推す上位3作のみに求めていた推薦コメントを、10作すべてに必要とした。「候補作選びから参加してもらいたいという思いと、10作全部を読まずに投票する書店員がいるのではないか、という指摘があったため」と浜本理事長は説明する。 2次投票は元来、全ノミネート作を読むのが約束