あなたは事実を歪曲した「トンデモ歴史本」に騙されてはいないか。現代史家の大木毅氏は「日本では、“狭義の軍事史”は研究者が手を出さず、サブカルチャーでのみ扱われているため誤りが放置されている。今回、ドイツでもっとも有名な将軍であるロンメルの伝記を書くにあたり、いわゆるミリタリー本での扱いもチェックしたが、事実を歪曲したものが少なくない」と指摘する――。 日本史なら訂正されるが、軍事史は歪曲が放置される 近年、ためにする「歴史書」が氾濫(はんらん)している。 「コミンテルンの陰謀」といったたぐい、あるいは『日本国紀』など、それらはあらかじめ決まった結論、それも、ほとんどは政治的な党派性に沿った結論に向けて、恣意的に史実を抜き出して立論するものだ。当然のことながら、歴史学の論証手順を無視したもので、いわゆる「トンデモ本」のたぐいである。 もっとも、さすがに自国史である日本史の分野では、かかる流れ
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