HOME→著作一覧→このページ 盧溝橋事件70周年によせて ―日中戦争から世界戦争へ― 永井 和 注:本稿は、2007年12月15、16日に北京大学でおこなわれた国際シンポジウム「第2回 北京と京都──中日をつなぐ知の架橋」での報告 である。 はじめに はじめまして。永井和と申します。京都大学文学研究科で日本現代史を教えております。この伝統ある北京大学におきまして、報告をおこなうことができますのは、私にとりましてこのうえない栄誉であり、その機会を与えていただきました皆様方に対しまして、あつくお礼申し上げます。 私が日本現代史の研究をはじめましてから、ほぼ30年になります。最初の10年間は主として日中戦争期の日本の対中国政策について研究しました。次の10年ほどは、明治憲法下の内閣と軍部の関係を、さらに最近の10年間は戦前の天皇のことを研究しております。それぞれのテーマについて一冊づつ専門書を