ニュース エキノコックスに糸状菌の生理活性物質が有効、酸素環境によらず 長崎大など 2023.05.30 主に北海道で発症するエキノコックス症の原因となる寄生虫エキノコックスに対して、糸状菌が作る生理活性物質の「アスコフラノン」が有効であることを、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の遠海(えんかい)重裕客員研究員(小児科学・感染症学)らの研究グループが発見した。酸素に富んだ(好気的)環境でも酸素が乏しい(嫌気的)環境でも、短期間で作用が見られた。新薬開発の手がかりができたとみて、今後、マウスでの動物実験に移るという。 エキノコックスは野生のキツネの腸内に寄生する。エキノコックス症には数種類あることが確認されているが、研究グループは特に複雑な形態のこぶを作り、国内での感染者が確認されている「多包虫エキノコックス」に限定して研究を進めた。エキノコックスが細胞に入り込むと、好気的な環