「政教分離」は民主主義の大原則ではなかったか。安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、自民党と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の深い癒着が明るみに出た。自民党は、改憲や愛国教育を掲げる日本会議とも太いパイプを持っている。統一教会や日本会議を選挙のたびにうまく使って、政権を維持してきた自民党。果たしてカルトと絶縁できるのか。橋爪大三郎氏は『日本のカルトと自民党』(集英社新書)で、カルトの正体を見極め、カルトを政治から排除するため、有権者は知識と覚悟をもつべきだと説く。その橋爪氏との対談を快諾したのは、『日本会議の研究』(扶桑社新書)の著者・菅野完氏。菅野氏は同書で、メディアが触れてこなかった日本会議の背景と深層を抉(えぐ)り出した。カルトと政治が結びつくのがどれほどの悪夢なのか。四月の統一地方選を控え、両氏はその害悪に警鐘を鳴らす。 構成=宮内千和子 写真=三好妙心(橋爪氏)、菅野氏提供 カ