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ブックマーク / www.astroarts.co.jp (386)

  • 太陽系が生まれた場所は今より1万光年も銀河の内側

    天の川銀河内の元素組成を再現するようなモデル計算により、46億年前に太陽系が誕生した場所は現在よりも天の川銀河の中心に近く、1万光年ほど内側だった可能性が示された。 【2023年11月21日 鹿児島大学】 太陽系の重元素の量は、太陽の周辺にある同じ年代の他の星々とは異なっている。天の川銀河の中心部と外側では元素の量に違いがあることと合わせると、太陽系はもともと46億年前に現在とは異なる環境の場所で生まれ、その後今の場所まで移動してきたのではないかと考えられている。 天の川銀河の想像図。現在の太陽系は、銀河の中心から約2万6000光年の距離に位置している(提供:加藤恒彦、4D2U Project、NAOJ、ALMA (ESO/NAOJ/NARO)) 星は質量の違いによって進化の速さが異なり、その進化過程で合成される元素の供給過程が大きく変わる。具体的には、酸素、マグネシウム、ケイ素の一部は太

    太陽系が生まれた場所は今より1万光年も銀河の内側
    nagaichi
    nagaichi 2023/11/30
    そら太陽系が生まれたのは50億年も前のことだからな。むしろ50億年前の銀河系が今の銀河系と同質量かどうかが問題で、銀河系が合体を経ていたら計算変わってしまうのでは?
  • 変光が止まったベテルギウス

    今年に入り増光が続いていたオリオン座のベテルギウスの変光が止まったと話題になっています。この状態がいつまで続くのか、この後どのような変光を見せるのか、目が離せません。 【2023年11月15日 高橋進さん】 オリオン座のベテルギウスは以前は、0.0等から1.3等ほどを主に400日ほどの周期で変化する「半規則型変光星」とされていました。ところが2019年末から急激に減光し、2020年2月には1.6等にまで暗くなって「大減光」「2等星に陥落」などと言われました。 この減光の原因については、大黒点によるものであるとか、超新星爆発の前触れであるとか様々な説が出されましたが、最終的には400日周期の変動とおよそ6年の周期の変動が重なったことと、大量の塵が放出されたことによる減光だと考えられています。 大減光の後、ベテルギウスはおよそ200日の周期で光度変化を繰り返しながらじわじわと光度を増していきま

    変光が止まったベテルギウス
  • 観測史上最強規模のガンマ線バーストが発生

    10月9日、明るさなどの点で記録破りなガンマ線バースト「GRB 221009A」が発生した。24億光年彼方で起こった超新星爆発が起源だと推測されている。 【2022年10月24日 ジェミニ天文台/NASA】 10月9日23時ごろ(日時間)、NASAのガンマ線天文衛星「フェルミ」や「ニール・ゲーレルス・スウィフト」などが、宇宙の彼方から飛来したガンマ線やX線を検出した。この信号はガンマ線バースト「GRB 221009A」と名付けられ、や座の方向24億光年の距離で発生したものと確認されている。 その後、各地の天文台が様々な波長でGRB 221009Aの残光を観測している。南米チリのジェミニ南望遠鏡では、米・メリーランド大学/ジョージ・ワシントン大学のBrendan O'Connorさんたちの研究チームと、米・ノースウェスタン大学のJillian Rastinejadさんたちの研究チームがそれ

    観測史上最強規模のガンマ線バーストが発生
    nagaichi
    nagaichi 2023/01/18
    宇宙のどこかでイーガン『ディアスポラ』のようなことが起こっているかもしれない。
  • 星形成の運命を決めた天の川銀河の棒構造

    天の川銀河に棒状構造ができることで、星形成が進む領域と止まる領域が生じることがシミュレーションで明らかになった。天の川銀河の歴史を解明する新たな成果だ。 【2022年9月16日 国立天文台CfCA】 私たちが住む天の川銀河は、中心部の星々が細長い楕円体状に分布する「棒状構造」を持った棒渦巻銀河であることが観測からわかっている。この棒状構造は、天の川銀河の広い範囲で星やガスの運動に影響を与えているはずだ。 天の川銀河の構造を極方向から見た図。円盤の中心部に星が細長く集まる「棒状構造」があり、棒の両端付近から渦巻腕が伸びている。棒状構造の中心には「中心核バルジ」と呼ばれる、さらに星が集中する領域がある(提供:国立天文台) 近年、位置天文衛星「ガイア」などによって天の川銀河の一つ一つの星々の位置と運動が精密に観測されるようになり、棒状構造の大きさや回転速度が明らかになってきた。しかし、天の川銀河

    星形成の運命を決めた天の川銀河の棒構造
  • なぜ海王星は天王星より青いのか

    海王星の青みが天王星より強く見えるのは、惑星の外見をより白く見せる「もや」の層が天王星で厚いためだということが、両惑星の大気の研究から判明した。 【2022年6月7日 ジェミニ天文台】 海王星と天王星は、質量や大きさ、大気の組成はよく似ているが、外見は明らかに異なる。可視光線で見ると海王星は濃い青で、天王星は淡い青緑色だ。 探査機「ボイジャー2号」が1980年代に撮影した天王星(左)と海王星(右)(提供:NASA/JPL-Caltech/B. Jónsson) 英・オックスフォード大学のPatrick Irwinさんたちの研究チームが明らかにしたところによれば、その差は両惑星に存在する「もや」の層に由来するらしい。Irwinさんたちは天王星と海王星の大気を構成するエアロゾル(煙や霧のように大気中に微粒子が分散している状態)のモデルを考察する過程で、色の違いを説明できることに気づいた。「この

    なぜ海王星は天王星より青いのか
  • 原子核をつなぐパイ中間子が軽い仕組みを理論的に証明

    この世に何種類もの元素が存在するのは、質量の小さなパイ中間子が、陽子や中性子を結びつける強い力を媒介するからだ。パイ中間子がその役目を果たせるほど軽い要因が理論的に証明された。 【2021年6月28日 カブリIPMU】 水素を除くあらゆる元素の原子核は、複数の陽子と中性子が「パイ中間子」の媒介する強い力で結びついている。同じ正の電荷を持つ陽子同士の間には電磁気力による反発力が生じるが、陽子の間を飛ぶパイ中間子が伝達する強い力はその電磁気力をはるかに上回る。これはパイ中間子の質量が極めて軽いからこそ成り立つことだ。仮にパイ中間子が重すぎたなら、陽子や中性子の間で強い力が届かなくなり、陽子1つで原子核を成す水素以外の元素は存在できなかっただろう。 パイ中間子の質量が軽い場合と重い場合のイラスト。(左)パイ中間子が重い場合、陽子の間でパイ中間子が強い力を媒介することができず、陽子同士は離れていく

    原子核をつなぐパイ中間子が軽い仕組みを理論的に証明
  • ついに発見された理論上の超新星

    白色矮星として生涯を終える低質量星と超新星となる大質量星の分岐点に近い恒星が起こす「電子捕獲型超新星」が、理論的予測から40年近くの時を経て、初めて観測で確認された。 【2021年6月29日 国立天文台科学研究部】 太陽のように質量が比較的小さな恒星は寿命を迎えるとゆるやかに白色矮星へと移行するのに対して、太陽の8倍以上の質量を持つ恒星は超新星爆発を起こす。その分岐点にあたる質量の恒星は「電子捕獲型超新星」と呼ばれる特殊なメカニズムで爆発することが、東京大学の野憲一さんたちによる理論研究により約40年前に予測されていた。しかし、このタイプの超新星が実際の観測で確認された例はなかった。 恒星は軽い元素から重い元素を作り出す核融合反応によってエネルギーを生み出しており、恒星の質量が大きいほど、より重い元素を生成する段階まで核融合が進む。質量が太陽の10倍以上であれば鉄のコア(中心核)が形成さ

    ついに発見された理論上の超新星
    nagaichi
    nagaichi 2021/06/30
    ギリギリ超新星。
  • ダークマター不足の銀河、謎は深まる

    銀河NGC 1052-DF2がダークマターをほとんど含まないという異常は、この銀河までの距離が見積もりより近ければ解消できるとされていた。ところが距離を精査した結果、むしろ見積もりより遠かった。 【2021年6月25日 NASA】 私たちが認識する銀河の姿は、恒星や星雲などの目に見える物質によるものだ。しかし、宇宙に存在する物質の大半は電磁波で観測できないダークマターであり、銀河も基的に大部分がダークマターでできている。家が柱などの骨組みに沿って作られるように、星やその材料となる物質は、ダークマターの塊があって初めて銀河を形作るのだとされていた。 2018年、米・イェール大学のPieter van Dokkumさんたちの研究チームは、ダークマターをほとんど含まない銀河「NGC 1052-DF2」(以降DF2)をくじら座の方向に発見したと報告した(参照:「ダークマターのないシースルー銀河」

    ダークマター不足の銀河、謎は深まる
  • 火星の火山から伸びる雲の秘密

    火星のアルシア山山頂付近からは、最長1800kmの雲が伸びることがある。探査機マーズ・エクスプレスの監視カメラにより、その全貌がとらえられた。 【2021年3月16日 ヨーロッパ宇宙機関】 火星のアルシア山は、平原から測ると標高が20kmにも達する大火山だ。その山頂付近からときおり雲が伸びている様子が、火星上空を周回する探査機によってとらえられている。一見、火山が噴火しているように見えるが、実際には火山活動が起こっているわけではないらしい。 アルシア山は火星の赤道からやや南に離れたところに位置している。雲は決まって、火星の南半球が春や夏のころ、アルシア山が日の出を迎えるころに出現し、朝のうちに西へと成長し、午後には消えてしまう。火星探査機の多くは午後になるまでこの地域を撮影できない軌道を飛行しているため、この雲をとらえて詳細に分析するのは難しかった。 アルシア山山頂付近で発生する雲の動画。

    火星の火山から伸びる雲の秘密
  • ベテルギウスの爆発は10万年以上先になりそう

    ベテルギウスの明るさの変化を理論分析した結果、超新星爆発を起こすまでまだ10万年程度の時間が残されていることがわかった。 【2021年2月12日 カブリIPMU】 オリオン座の肩の位置に輝く1等星ベテルギウスは、恒星進化の最終段階にある赤色超巨星で、「いつ超新星爆発を起こしてもおかしくない」と言われることが多い。2020年初めに前例のないほど大幅に減光し一時的に2等星になった際には、爆発のときが迫っているのではないかとの憶測もあった。だが最新の研究によれば、どうやら私たちが超新星を目撃できる可能性は低そうだ。 (上段)ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTで撮像された2019年1月(左)と2019年12月(右)のベテルギウス。(下段)最近のベテルギウスの光度変化(提供:(上段)ESO/M. Montargs et al.、(下段)L. Molnar, AAVSO, UCSD/SMEI,

    ベテルギウスの爆発は10万年以上先になりそう
  • 「金星にリン化水素のシグナル」は、二酸化硫黄の見間違い

    金星の雲からリン化水素(ホスフィン)を検出したという昨年の発表は、より高い高度に存在する二酸化硫黄で生じた吸収を見間違えていた可能性が高いことが示された。 【2021年2月3日 ワシントン大学】 2020年9月に英・カーディフ大学のJane Greavesさんたちの研究チームは、金星の雲からリン化水素(ホスフィン、PH3)を検出したという成果を発表した(参照:「金星の大気にリン化水素を検出」)。 研究チームは2017年にハワイのジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(JCMT)で金星の大気から放射される電波を観測し、周波数266.94GHzの位置に吸収線を発見した。この周波数の近くにはリン化水素だけでなく二酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルも存在するため、吸収線の正体を突き止める追加観測が2019年にアルマ望遠鏡で行われた。その結果、JCMTで見つかった吸収線よりやや周波数が高い267.

    「金星にリン化水素のシグナル」は、二酸化硫黄の見間違い
  • 太陽系の内惑星と外惑星は世代が違った

    太陽系形成に関する数値実験から、太陽系内の惑星が2つの異なるタイミングで形成されたとする新しい理論が提唱された。 【2021年1月27日 オックスフォード大学/バイロイト大学】 太陽系の惑星のうち地球や火星などは主に固形成分でできていて、木星や土星にガスや水などの蒸発しやすい物質が多く集まっている。従来、この差は単にどれだけ太陽に近い所で形成されたかの違いであると解釈されてきた。 英・オックスフォード大学のTim Lichtenbergさんなどの国際研究チームは、そもそも惑星が形成された時期も2段階に分かれていた可能性をシミュレーションにより明らかにした。 最近の原始惑星系円盤の観測や隕石の分析からは、これまでの想定と違い、太陽が誕生してからわずか20万年ほどで惑星の形成が始まったこと、その形成は太陽系内の限られた領域で起こったことを示す証拠が得られている。 鍵を握るのは「スノーライン」、

    太陽系の内惑星と外惑星は世代が違った
  • リュウグウの6割は有機物かもしれない

    「はやぶさ2」が得たリュウグウの観測データに基づく計算から、リュウグウは60%以上が有機物で構成されているという結果が得られた。元は彗星の核だった可能性もある。 【2020年6月25日 岡山大学】 小惑星探査機「はやぶさ2」が探査を行ったリュウグウは「C型小惑星」に分類されていて、炭素質コンドライトと呼ばれる隕石にスペクトルが似ている。炭素質コンドライトは有機物や水を数%含む始原的な隕石で、リュウグウもこのタイプの隕石と同じような組成であると考えられてきた。 一方で、リュウグウの表面は強い宇宙風化を受けているらしいことが「はやぶさ2」の観測データからわかっている。たとえば、2019年2月22日に「はやぶさ2」がリュウグウの表面に初のタッチダウンを行った際の映像には、着地の瞬間におびただしい量の岩の破片や砂が巻き上げられる様子がとらえられているが、ここに写っている岩石の破片の中には、平べった

    リュウグウの6割は有機物かもしれない
    nagaichi
    nagaichi 2020/06/26
    小惑星の土が生命を育むときがいつか来るだろうか。
  • 冥王星の大気崩壊が急速に進行

    2019年7月に起こった冥王星による恒星の掩蔽を観測したデータの解析から、掩蔽観測時の冥王星の大気圧が2016年と比べて約20%低下したことが明らかになった。 【2020年6月18日 京都大学】 冥王星は、太陽系外縁部のカイパーベルトに存在する直径2400km程度の準惑星だ。太陽から約50億km、地球と太陽との距離のおよそ30倍も離れた軌道を公転している冥王星は、太陽系探査において長らく謎に包まれた未到のフロンティアだった。 冥王星の大きな謎の一つとして大気が挙げられる。冥王星における大気の生成は、地表を覆う窒素を中心とした氷の昇華によるものと考えられている。冥王星の公転軌道は楕円の度合いが大きいため、太陽からの距離の変化が大きく、それにつれて表面の日射量が変わる。その結果、表面にある氷の昇華と凝結のバランスも大きく変わると考えられてきた。ところが、冥王星が1989年以降は太陽から遠ざかり

    冥王星の大気崩壊が急速に進行
    nagaichi
    nagaichi 2020/06/21
    公転軌道が歪で、近日点と遠日点の差が大きいから「季節的に」崩壊が起こるんだろう。冥王星が蓄積している窒素の氷が尽きるまで、周期的に崩壊と生成が繰り返されるんだろうな。
  • フォーマルハウトb消失、系外惑星ではなかった可能性

    世界で初めて直接撮像により発見された系外惑星は、実在しなかったかもしれない。みなみのうお座の1等星フォーマルハウトを撮影したハッブル宇宙望遠鏡の画像に写っていた光の点は10年の時を経て消失しており、小天体同士の衝突で生じた一時的な輝きだった可能性があるという。 【2020年4月23日 HubbleSite】 太陽以外の恒星の周りを回る系外惑星は、ほぼ全てが間接的な証拠、つまり惑星が存在することで恒星の光に生じるわずかな変化をとらえることで発見されている。そのため、2008年に、みなみのうお座の方向25光年彼方にある1等星フォーマルハウトに惑星「フォーマルハウトb」が直接観測によって見つかったという発表は画期的な成果だった(参照:「ハッブル宇宙望遠鏡、系外惑星を初めて撮影」)。これはハッブル宇宙望遠鏡(HST)が2004年と2006年にフォーマルハウトの周囲を撮影した画像に小さな点が写ってお

    フォーマルハウトb消失、系外惑星ではなかった可能性
  • 宇宙論の大前提がゆらぐ?宇宙膨張が方向によって異なる可能性

    宇宙は全ての方向に等しい速度で膨張していると考えられてきたが、800個以上の銀河団のX線観測データを用いた研究で、膨張速度に想定以上のばらつきが検出された。宇宙論に関わる重要な前提である「等方性」が成り立たない可能性を示唆する結果である。 【2020年4月15日 ヨーロッパ宇宙機関/チャンドラ】 宇宙は局所的には違いはあっても、大きなスケールで全体を見ればどの方向も同じような性質を示しているというのが「等方性」であり、宇宙膨張の速度にもこれが成り立つと考えられる。この原理は基礎物理学に基づいていて、ビッグバンの名残である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測からも支持されている。CMBは誕生から38万年後という幼少期の宇宙の状態を反映するもので、全天で均一な分布が見られることから、初期宇宙はすべての方向に同じ割合で急速に拡がったはずだと考えられている。 ところが、独・ボン大学のKonsta

    宇宙論の大前提がゆらぐ?宇宙膨張が方向によって異なる可能性
    nagaichi
    nagaichi 2020/04/17
    以前、観測可能な宇宙全体が特定の方向に重力で引っ張られてるって話があったような?
  • 極寒でのみ存在する赤色が解き明かす外太陽系氷天体の謎

    外太陽系のような極低温環境を模した実験により、氷天体に見られる赤色に似た様子が再現された。温度が上昇すると色が薄くなって消える現象も見られ、氷天体の色分布の謎を解明する手がかりになると期待される。 【2020年3月23日 東京大学】 火星と木星の間に広がる小惑星帯より外側の領域には、摂氏マイナス100度からマイナス230度という極寒の世界が広がっている。この領域は「外太陽系」と呼ばれ、数多くの氷天体が存在している。 氷天体のうち、海王星より外側に存在する太陽系外縁天体やケンタウルス族天体(木星と海王星の間に公転軌道を持つ氷天体)では、赤色を呈するものが見られる。しかし、より太陽に近づいた距離に存在する木星族の彗星では、赤色を呈するものは観測されていない。 探査機「ニューホライズンズ」がとらえた冥王星。右側の白っぽい「トンボー領域」と対照的に、左側には「エリオット・クレーター(Elliot

    極寒でのみ存在する赤色が解き明かす外太陽系氷天体の謎
  • 高緯度ほど不安定、金星大気の熱構造

    探査機「あかつき」などによる観測から、金星の高度40~85kmにおける気温分布が調べられた。金星では高緯度ほど大気が不安定な領域が広がっており、地球の大気構造とは反対の傾向にあるようだ。 【2020年3月4日 京都産業大学/JAXA宇宙科学研究所】 金星は質量や大きさが地球とよく似ていて、地球の双子星と呼ばれることもある。しかし、金星の大気の主成分は二酸化炭素で、濃硫酸の雲が全球を覆っており、地表面の気温が摂氏460度、気圧が90気圧にも達するなど、環境面では金星と地球はまったく異なる惑星だ。さらに、金星では自転速度の60倍の速度で大気が回転する「スーパーローテーション」という現象が生じている。こうした謎の解明には、金星大気を観測して知見を蓄積することが必要不可欠である。 金星探査機「あかつき」の赤外線カメラ「IR2」がとらえた金星の夜面の擬似カラー画像。IR2では夜面の雲を透過してきた赤

    高緯度ほど不安定、金星大気の熱構造
    nagaichi
    nagaichi 2020/03/05
    金星に人工的な傘をかけて急激に冷やし、二酸化炭素をドライアイス化して地中に埋めるという力技のテラフォームアイデアをなにかのSFで読んだ。
  • 2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ

    昨年末より記録的な減光を見せているオリオン座のベテルギウスの明るさが、1.5等級よりも暗くなったことが確実となった。 【2020年2月5日 高橋進さん】 オリオン座のα星で、全天でも最も有名な1等星の一つでもあるベテルギウスが昨年秋から暗くなってきていると話題になっていましたが、とうとう2等星になってしまいました。この後どのように推移していくか非常に興味深いところです。 オリオン座のベテルギウスは進化の進んだ赤色超巨星です。脈動により0.3等から0.9等くらいまでをおよそ400日くらいの周期で変光する半規則型変光星です。このベテルギウスが昨年の9月ごろから減光を始めました。12月には1.0等を切り、観測史上最も暗い減光などと言われました。 その後も10日で0.1等暗くなるというスピードで急速な減光が進み、1月30日に大金要次郎さんが行った光電測光のV等級で1.54等になり、眼視観測者からも

    2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ
  • 初期宇宙の「見えない」銀河をアルマで多数発見

    アルマ望遠鏡の観測により、星形成の活発な巨大銀河が110億年以上前の宇宙で39個発見された。従来の銀河形成理論に再検討を迫る成果だ。 【2019年8月9日 アルマ望遠鏡】 NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)は、初期宇宙に存在する誕生直後の銀河や星形成の活発な銀河を観測する上で中心的な役割を果たしている。しかし、HSTで観測できる光の波長は可視光線から近赤外線までの範囲に限られるため、どんな銀河でもHSTで撮影できるわけではない。 たとえば、活発な星形成が起こっている銀河では、寿命の短い大質量星がたくさん生まれ、それらが超新星爆発を起こして死ぬというサイクルが繰り返されるため、終末期の星や超新星爆発から放出された塵が銀河の中に大量に含まれている。このような銀河では、星から出た光は塵に吸収され、暖められた塵から赤外線として再放射されるので、中間赤外線や遠赤外線と呼ばれる波長の長い赤外線でな

    初期宇宙の「見えない」銀河をアルマで多数発見