KDDIの通信障害の影響から、他社の携帯電話ネットワークを経由して通話や通信を維持できるよう、非常時にローミングを活用することが注目されている。だが、その実現には技術面より運用や法律面で多くの課題を抱えているのに加え、今回のような通信障害では有効に機能するとは限らない。「ローミングで通信障害対策」の実現可能性と課題について考えてみたい。 なぜローミングが注目されるようになったのか 7月2日から3日以上にわたって続いたKDDIの通信障害は、とりわけ音声通話の中枢部分で障害が起きたため110番などの緊急通報ができなくなる事態を招いたのに加え、モバイル通信がスマートフォン以外にも利用されていたことから、社会的にも非常に大きな影響を与えるものとなった。 KDDIは7月29日に会見を実施する予定で、そこで障害発生のより詳しい原因と、影響を受けた利用者への補償などについて言及するものと見られている。も
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