「リスナーの感情におよぼす音楽の影響」がラーガのコンセプトの中核をなしている。 “色付け”という意味のサンスクリット語に由来するラーガ(ラーグとも呼ばれる)は、数千年にわたる歴史を持つ演奏体系/実演体系を説明するものだ。ラーガが使われるインド古典音楽の教えでは、楽曲のムードに限らず、構造、目的、さらには、楽曲の演奏に適した時刻までをも規定する。 極めて単純に言ってしまえば、ラーガとはメロディーの枠組みのことを指し、その枠組みによって演奏者の即興演奏が可能になる。ただし、これはラーガのほんの一部に過ぎない。 たとえば『Megh Malhar』というラーガは、言い伝えによると、演奏中に雨をもたらすとされている(“megh”はサンスクリット語で“雲”を意味する)。 ラーガのすべてをひとつの記事でまとめるのは、賢いとは言えない。楽曲のスケール/構造/コンセプトや即興演奏などヨーロッパの伝統的なもの
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