「訳が分からない」。インターネットで「暇空茜」を名乗る男性と、取り巻きである多数のアカウントから執拗(しつよう)な攻撃を受けた大学生の男性は、渦中に投げ込まれた“ネットリンチ”に当惑する。デマが事実であるかのように広がり、話が作られていく。相手をおとしめるためなら何でもありの世界。「パニックでひどい時は死ぬと何回も思った」と被害の深刻さを語った。 始まりは2023年夏、暇空茜がネットで発信した防衛政策に対する主張に疑問を感じたことだった。戦争学を学ぶ立場から「分かっていない」と感じたという。 以前から同アカウントが交流サイト(SNS)などで繰り返していた他者への誹謗(ひぼう)中傷を苦々しく思っていたこともあり、SNSに書き込んだ。〈論理構成も雑。事実誤認も繰り返され、法制への知識も根本的に欠落。これで『天才』を自称なさるのは何かのギャグでしょうか?〉 「これが逆鱗(げきりん)に触れてしまっ
