個人の(課税後の)所得水準の比較は、余暇、投資、公共財を無視しているため、相対的な豊かさの指標としては部分的なものに過ぎません。そのため、相対的な豊かさの指標としては、生産性の水準の比較が相対的な所得水準よりも優れている可能性があります。 かつて経済学者ポール・クルーグマンは、一国の生活水準を長期的に改善していくには「生産性が全てではないが、長い目で見れば、生産性が殆ど全てである」と言いました。私は、レゾリューション財団〔低中所得世帯の生活水準改善を目的とする、英国のシンクタンク〕の最近の研究を用いながら、少しだけ意味の異なる、それぞれの国の豊かさの違いを何が決定するのかという問題を検討していきます。答えは 〔クルーグマンの主張と〕とてもよく似ていますが、重要な修正があります。 クリシャン・シャーとグレゴリー・スウェイツによるレゾリューション財団のレポートでは、イギリスの生産性と家計あたり