他人を思いやり、共生するためのマナーである「江戸しぐさ」。一時期は江戸ブームとあいまって広く道徳などの教科書や教材に使われ、文部科学省や、各地方自治体も現代人が応用すべきマナーとして広まった。 江戸しぐさは現代人としてのマナーとして効用はあるが、それが江戸時代に存在したと考えれば歴史の捏造につながる。その一方、今でも江戸しぐさは広まり、自治体の講演や企業研修でも使われている。 その原田氏に「江戸しぐさ」をはじめとする偽史や現代のフェイクニュースがはらむ危険性などについて話を聞いた。 なぜ江戸しぐさは今なお広まるのか 江戸しぐさの代表例の「傘かしげ」、「こぶし腰浮かせ」は、公共広告機構(AC)のテレビコマーシャルや東京メトロの看板でご覧になった方も多いだろう。 原田氏は、道ですれ違ったときに傘を傾けてぶつからないようにする「傘かしげ」について、江戸時代の史料をもとに「そもそも傘はぜいたく品。
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