債務危機で崖っぷちに立たされているスペインの苦境はまだ続きそうだ。 6月14日には、10年物国債の利回りが危険水準とされる7%を突破し、99年のユーロ発足以降の最高水準を更新。この前日に米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、スペイン国債の格付けを「A3」から3段階下の「Baa3」に引き下げたことが引き金となった。 「Baa3」は、投機的(ジャンク)等級の一段階上というぎりぎりの水準。しかしロイター通信によれば、今後3カ月のうちに再び格下げされる恐れもあるという。今回の格下げで、EUなどが救済に踏み切ることになる可能性が高まったと、ある金融業界筋はロイターに語った。 10年物国債利回りの「7%」という数字は、いわば危険水域への境界線。この水準を超えると利回りの上昇に弾みがつき、自力での資金調達が困難になるとされている。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルもこの7%を突破した後、