オリヴィエ・グローグ著 『カミュ ふたつの顔』 カミュ ふたつの顔 単行本 文学作品や小説家に対し、普遍的という語はしばしば誉め言葉として用いられる。時を超え、住む場所やその文化に関わらず広く読まれ続けるというのは、それだけで作品や作家の価値を示していると受け取られる。アルベール・カミュはまさにそのような作家だ。「カミュはどこにでもいる」。 しかし、極右の政治家までもがカミュを愛読書として掲げている状況を目にすると、無批判な礼賛一色となっていることに批判の目を向けねばならないのではないかという気もしてくる。カミュは曲解されているのではなく、そのように受容される要素がカミュの人と作品の中にあるのではないか。 「ジョージ・W・ブッシュ、ひとりの米国インディアナ州のアフリカ系アメリカ人死刑囚、フランス極右、アナーキスト同盟、リベラル志向保守派のフランスの日刊紙『フィガロ』、社会主義的志向革新派の

