「歴史社会学」という学問をご存知ですか? 「歴史学? 社会学? いったいどっちなの?」と疑問に思う方も少なくないかもしれません。今回の「高校生のための教養入門」は社会学者の石原俊先生に、ご専門である歴史社会学についてお話を伺いました。なんだか難しそうな雰囲気の漂う「歴史社会学」。石原先生が歴史社会学にのめり込むきっかけとなったのは、かつては忘れられていたという、ある「島」との出会いでした。(聞き手/金子昂、構成/倉住亮多) ―― 歴史社会学とはどんな学問なのでしょうか? 歴史社会学は、社会学のおおもとになる分野だと私は思っています。社会学の歴史は、だいたい150年程度しかありません。政治経済学や歴史学などに続くかたちで19世紀に社会学が誕生しました。社会学は、いわゆる「近代」と呼ばれる社会を、自己反省的に見る学問として誕生したと私は考えています。 日本の学校における歴史の学習は、基本的にた