というわけで、例のユニクロのウイグル製シャツがアメリカで輸入禁止になったというニュースの醒めやらぬ中ですが、「EUのデューディリジェンス指令案への動き」というのを寄稿していた『労基旬報』5月25日号が届いたので、どういう話になっているのかごく簡単に紹介しておきましょう。 近年、「デューディリジェンス」という言葉がよく聞かれます。文字通りの意味では「企業に要求される当然に実施すべき注意義務および努力」を指しますが、とりわけ今日問題となっているのは、そのグローバルなサプライチェーンにおいて労働者,人権,環境といった側面で有害な影響を与えていないかをきちんと監視すべきという点です。ごく最近も、中国の新疆ウイグル自治区で生産された綿を使った繊維製品が強制労働によるものとして人権団体から批判され、強硬な中国との間で板挟みになった企業がありました。 この問題を公的な立法政策として進めようとしているのが