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ブックマーク / stjofonekorea.blog6.fc2.com (8)

  • Taejunomics貧乏人の経済学

    今も、毎年900万人が5歳の誕生日を迎える前に死んでいる(The Millenium Development Goals Report (2010))。そういう状況を変えるために、多くの経済開発のための取り組みがなされてきた。その多くは、現在のところ、思ったより多くの成果を残せていないのかもしれない。 この分野での論争で一番話題を読んでいるのは、ジェフリー・サックスと、ウィリアム・イースタリーの間のものだろう。サックスは貧困の罠から人々が脱して豊かになるにはより多く援助が必要だと説き、イースタリーはインセンティブを阻害する援助には効果がないと切り捨てる。 こういう一般論レベルの議論の意味は限定的で、当にするべきは個別具体的な事例を丹念に調べて、その時その時に必要なアクションを知り、そこから得られた知見を積み上げて得られる知識体系ではないかと、アビジット・V・バナジーとエスター・デュフロは

  • Taejunomicsコーディネート力

    事の始まりは、今の勤め先の面接に遡る。 僕:「モデル作りなら誰にも負けないと思います。」 相手:(ため息をついて)「そういう、エクセル早いですとかって、この仕事じゃあまり重要じゃないんだよね。全体のコーディネートをどうやってするかが大切なの。」 仕事を始めるようになって、この言葉を思い知るようになる。 今の仕事を通じて知った、実務上の一番大切な能力の一つは、全体のコーディネート力、とでもいうようなもの。PE(Private Equity)以外のプロフェッショナルファームでは、こういった能力を使う機会は意外と少ないかもしれないので、いまいち伝わりにくい気もするが、ちょっと書いてみる。この能力は、パートタイムでNPOをする上でも、当に大切な能力だと思う。 PEの投資プロフェッショナル達が一つの案件をするとき、自社チームの人数は5人くらい(会社によっては大量に人を貼り付けるが)。このチームだけ

  • Taejunomics拝啓 全国のタイガーマスク様

    拝啓 新春の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 私は慎 泰俊と申します。海外でマイクロファイナンスを、国内で児童養護施設の資金調達支援とキャリア支援をしているNPOの代表です。このNPOはパートタイムで行っており、業では投資ファンドで働いています。(全く関係ないのですが、私の子どもの頃のあだ名はタイガー・ジェット・シンで、勝手に親近感を覚えています。) この度にあなたによる児童養護施設への一連のプレゼントについて、いくつか感じることがありご連絡を差し上げています。 第一に、あなたの行動をきっかけにして、児童養護施設への関心が高まったことを当に有り難く思います。 今、全国570の施設には虐待を主な理由として親と離れて暮らす子どもが3万人います。子どもの心の傷は非常に深い場合が多く、それを癒すのは職員の地道なケアにかかっています。しかし、子どもの親代わりとなる職員は勤務時間に平均し

  • Taejunomics日本でマイクロファイナンスができない理由

    (追記アリ:2010年6月13日) 日でもマイクロファイナンスをするべきという人がいます。 でも、僕は日の都市部でマイクロファイナンスが出来るとは思いません。貧困層向けのファイナンスはあるでしょうけれど、それにマイクロファイナンスの名称がつくのか疑問が残ります。 金融の視点からみたマイクロファイナンスの真髄は、コミュニティの結束力を顧客の信用力に転換する仕組みにあります(オペレーションの作り込み等もあるのですがここでは割愛)。 マイクロファイナンスでは第一に、顧客選定の段階でコミュニティの結束力が審査コストの低下に転化されています。 共同体が強く残っている開発途上国の農村部や町において、周りの人に認められた人がマイクロファイナンス機関からお金を借りることができます。グループでお金を借りる場合は当然ですが、個人で借りる場合にも村長さんなどが保証人として立つ場合が多く、何らかの形でコミュニ

  • Taejunomics日本では本当に機会の平等が担保されているか

    堀さんのブログのご意見の一部に意見があるので記事にしました。 堀さんはこう説かれています。 ”機会の平等は、僕は、基的には、日においてはかなり担保されている、と思っている。義務教育が行われており、奨学金が支給されているので、随分と平準化されていると思うからだ。 (中略) 努力をしていない弱者に、手を差し伸べる必要は無いと思う。また、努力をしない人々を優遇するような施策は、貧欲と怠け癖を引き起こし、日を滅ぼす結果となろう。” 形式的な意味での機会の平等については、仰る通りだと思います。アルバイトと奨学金で高校、大学と卒業した友人は、僕の周りにも沢山います。そして、ある程度の大学を出れば、貧困家庭に生まれてもそれを脱することができるというのは事実です。僕自身、家は貧しかったけれど、学問のおかげで今の職業に就いている。 ただし、実質的な意味での機会の平等は、担保されていないと感じます。ここ

  • Taejunomics経済モデルの適切さ

  • TaejunomicsSteve JobsのStanford卒業式でのスピーチ(動画&原稿&日本語訳)。

    ソース:http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html I am honored to be with you today at your commencement from one of the finest universities in the world. I never graduated from college. Truth be told, this is the closest I've ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That's it. No big deal. Just three stories. The first story is

    namawakari
    namawakari 2008/03/16
    最後の一文がステキ。
  • Taejunomics新銀行東京の苦境の理由。

    新銀行東京の貸付先の破たんが、なかなかすごいことになっているみたいですね。 新銀行東京、融資先600社が破綻・今期累損1016億円 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080306AT2C0601606032008.html 同行にいらっしゃる方を知っているのですが、決して審査システムがずさんなわけではないのだと思います。 むしろ、同行の設立の趣旨である中小企業の支援と、貸出利子率の硬直性の二つがあいまった結果なのだと思います。 個々の企業の破たん可能性は、実は、財務数値を見ると、相当程度に高い確率で当てることができます。 僕程度が大学院の課題で作ったロジットモデルでも、1年前の破たんであれば、200くらいの企業中、80%以上の企業について的中させることができます。 企業として作っている信用リスクモデルをもち、借り手の情報をより知っている立場にある銀行は

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