古いものが好きだ。休日はたいてい、神社仏閣やら、古い町並みやらといった、文化財を見学しに行くことに時間を費やしている。じいさん趣味とは自覚してるが、それでも古いものの前で過ごす満ち足りた時間は、この上無い幸せだ。 ところがだ。奮然勇んで見に行っても、少々、不完全燃焼というか、十分満足できずに帰らざるを得ない類の文化財がある。それは古墳だ。特に、前方後円墳とか、デカいやつ。 古墳鑑賞の不満点とは何か、その不満を解消する為にはどうすれば良いのか。それらを考えてみると、どうもこれは、空を飛ぶしかないらしい。 (木村 岳人) 我が憧れの、大仙陵古墳 一般的に前方後円墳と聞いて、まずイメージするのはおそらく大仙陵古墳(仁徳天皇陵)ではないだろうか。歴史の教科書でおなじみの、地図の上にぽっかり空いた、鍵穴のようなアレ。 大仙陵古墳はエジプトのクフ王ピラミッド、中国の始皇帝陵と並んで世界三大墳墓に名を連
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