甲賀市水口町綾野の主婦万木(ゆるぎ)筆子さん(74)が15年以上かけて、通信制の放送大教養学部の各コース(専攻)を順番に受講し続けている。卒業研究に取り組んでいる「社会と経済」分野を終えれば、同大学にある全5コースを制覇することになる。滋賀県では初で、全国でも12人しか達成していない快挙だが、本人は「学ぶ楽しみは生涯、追い続けたい」と意欲的だ。 ■県内初 「学ぶ楽しみ生涯追う」 万木さんは1994年、放送大に入学した。9歳の時に終戦を迎え、墨塗りの教科書や学制改革をただ中で体験し、「勉強が中途半端だった」という思いを抱えていた。 子育てや親の介護が一段落したころ、妹の勧めで放送大を知った。高校の授業で源氏物語に魅せられた記憶もあり、文学や歴史を学ぶ「人間の探究」専攻に入学、7年かけて卒業した。受講した他の分野にも興味を広げ、「生活と福祉」「発達と教育」「自然の理解」の各専攻は2〜3年