じっくりと音楽を鑑賞する時間がなかなか取れなかった一年でした。でも、心なのか体なのか、自分のどこかにひっかかる、あるいは揺さぶるような音楽がいくつかあったのも事実。リスナーとしてプレイリストを使って音楽を楽しむことが増えるなかで、楽曲をアルバムにまとめる意味についても考えないといけないと、ひとりの作り手として改めて強く思います。でもまあ、なんだっていいじゃん、という身勝手さも僕の反対の手にはあって。10曲選べと言われたら、また別の順位にもなりますしね。作品としてのレコードの音が良くない!みたいな、技術的な問題が記録メディアによって生まれることもあります。iPhoneのアプリで素晴らしい曲やリリックが書けるし、30億円使ってゴミみたいな録音もできます。いやはや、ポップ・ミュージックって複雑ですね。だから面白いんですけれど。 そういうのひっくるめて、2020年の音楽もきっと楽しいんだろうなと。