【ソウル=豊浦潤一】失脚情報が流れた北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権のナンバー2・張成沢(チャンソンテク)国防委員会副委員長(67)を巡っては、現体制下で急激に地位を高めたナンバー3・崔竜海(チェリョンヘ)軍総政治局長(63)とのあつれきが伝えられ、権力闘争の果ての粛清劇との見方も出ている。韓国政府は体制への影響について慎重に分析している。 消息筋によると、最近になって「張氏と崔氏が対立しているとしか考えられないような情報」が相次いで把握されていたという。 その一例が、崔氏の息子が飲酒運転の末に交通事故を起こした不祥事をめぐる処理。張氏はこれを問題視し、大事にならないよう動いた崔氏と衝突したという。崔氏の息子は金正恩氏(30)と同世代で、この同世代グループが張氏をけん制する政治勢力として台頭していたという。 今回、張氏の側近2人の摘発に伴い張氏が失脚したとされるのも、崔氏側の攻勢だった