コロナ禍で岐路に立つ3つの私立美術館。それぞれの生存戦略は新型コロナウイルスの感染拡大によって入館者数が制限されるなか、入館料収入に大きく依存する私立美術館が経営の危機に立たされている。クラウドファンディングを行い、運営資金を募った大原美術館、ワタリウム美術館、山種美術館の3館を例に、これからの私立美術館の生存戦略を探る。 文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 左から、大原美術館、ワタリウム美術館、山種美術館 西洋美術、日本美術、現代美術というそれぞれ異なる分野において、日本の私設美術館を代表する大原美術館、山種美術館、ワタリウム美術館が、クラウドファンディングによって運営資金を募ったことは大きな衝撃をもたらした。いずれも多くのファンを持つ美術館であり、「経営危機」という言葉からは無縁のように見えていたからだ。このような状況に陥った状況を紐解くとともに、今後の施策を各館に聞いた。 収
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