長引く景気低迷で苦戦を強いられている企業は多い。そんな中、ブレない軸を持った企業の元気ぶりが目立ち始めている。いわゆる「ビジョナリー経営」を実践している企業である。そんな企業はどのように、現場に経営理念を落とし込んでいるのか。まず第1回目は、苦戦していた飲料メーカー、ホッピービバレッジを復活させた石渡美奈社長に聞いた。 (聞き手は飯山辰之介) リーダーが組織作りや人づくりを重視しなければ、組織は成長しません。それは私の経営者としての経験から指摘できます。 ホッピービバレッジは私の祖父が1910年に創立した会社で、社名の通り「ホッピー」を製造しています。私が97年に入社した時、当社はお世辞にもビジョナリーとは言えませんでした。自社製品に対する愛情は希薄で業績も低迷。社員間のコミュニケーションも滞りがちでした。 私は状況を少しでも良くするために、コミュニケーションを促す取り組みなどを始めました