戸田精機(本社奈良県生駒市)はドリルによる切削で四角穴の加工を可能にするホルダ「ICCホルダ」を、「第25回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2010)」(2010年10月28日~11月2日、東京ビッグサイト)に出展する。ホルダは、フライス盤やマシニングセンタなど一般的な工作機械に取り付け可能で、展示会場では四角穴の加工を実演する予定だ。
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Tech-On!でも何度か紹介しているように,理化学研究所の「京(K computer)」は,稼働中のスーパーコンピュータの性能を集計する「TOP500 Project」の2011年6月のランキングで1位の座を獲得した。その原動力になったチップ(LSI)は二つある。一つはマイクロプロセサ(MPU)の「SPARC64 VIIIfx」。もう一つはMPU間を接続するインタコネクト・コントローラ(ICC)である。 どちらも,富士通グループが開発したLSIである。SPARC64 VIIIfxが15年間以上前から改良を積み重ねてきたチップであるのに対して(Tech-On!関連記事),ICCは,「京」向けに,今回,新たに開発したものだ(図1)。開発に携わった富士通研究所の吉川隆英氏(ITシステム研究所デザインイノベーション研究部)に話を聞いた。同氏は,ICCの検証に関して,第24回 回路とシステムワーク
ベンダーとは発売元。製品を供給する側である。メーカーと言った方が通りがよいかもしれない。買う側がユーザー,売る側がベンダーである。技術を研究するものにとって身近な会社がベンダーである。 ベンダーでお付き合いする社員は大きく2種類に分かれる。一つは営業,一つは技術開発である。前者は前者で興味深いが,このコラムはTech-On!。ベンダーの技術開発者に絞って話をする方が編集者に受けが良いだろう。 はっきり言って,営業マインドのある技術者は珍獣。レアものである。時に広い視野をお持ちの方,時にはったりばかりの方,時に金勘定ばかりの方がいるが,その多くは静かな技術オタクである。邪魔されず,好きなことができて,そこそこの生活できればOK。真面目で口数が少ない。時に,とうとうとしゃべることは自分の関心事。つまり,自分の技術に対する蘊蓄(うんちく)である。 簡単に言えば,売れる売れない,ユーザーの要不要は
ISOやIECなどの国際標準化に関わって10数年になる。ISOにおけるFA情報制御系LAN「ADS-net(Autonomous Decentralized System-net)」やOMGにおける「SDO(Super Distributed Object)」など直接関わった日本発の提案もあるし,間接的な関わりに留まっているものもある。そのような活動を通して,いろいろな考え方の人々と出会った。 まず多いのが,「国際標準は勝手にやってください」派である。中でも戦略的に国際標準に関心を示さない方,会社がある。これは,これで筋が通っている。このグループは戦略的無関心派とでも分類しよう。 しかし,戦略的無関心派はごく少数である。勝手派の中の多くは矛盾を抱えたグループである。もっとも,グループとは言っても結束力は無い。これをタダ乗り派と分類しよう。この派の特徴は,国際標準に資金も時間も金も費やさない
世の中,予定調和とは中々いかない。この月1コラムにも一応予定があるが,今回も変更である。Priusのリコール問題もようやく落ち着いてきた。私もこのコラムなどを通じて,組込系の問題を論じてきただけに対応に追われた。問題が生じて一月ほどとなり,問題の本質が見えてきたようである。ここでは,我がTech-On!の調査をベースに考えていこう。 まず,このリコールはソフトウエア単体の問題ではない。油圧ブレーキシステム,回生ブレーキシステム,そしてABS(Anti-lock Brake System)の三つが絡んだ問題である。単体テストではなく,統合テストに属する部類の問題である。 次に,技術者目線からはリコールしたことに不満が残る。停止を目指して回生ブレーキがフル稼働している段階で濡れた鉄板上を通過した際スリップを起こす。それでABSが加入する。ABS加入時には,休んでいた油圧ブレーキシステムの油圧が
1989年。あるスーパーコンピュータが日本で開発されて話題を呼んだ。「GRAPE」と名付けられたこのスパコンの開発費は、わずか20万円だったからである。20年後の2009年。国家戦略で1200億円を投じて開発する次世代スパコンの是非が注目を集める中、3800万円で国内最速のスパコンが開発された。20年前にGRAPEを開発した千葉大学の伊藤智義教授は、こうした今のスパコン動向をどのように見つめているのだろうか。伊藤教授は「利用者視点の強い信念がなければ技術は育たない」と呼びかける。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ) スパコンは「スーパー」ではなくなった 現時点(12月9日)で1200億円を投じて開発する国策スパコンの是非について、国民の注目が集まっている。 まず、今あるコンピュータ全体を俯瞰したとき、スーパーコンピュータという名称はほぼなくなっていると認識した方がいい。先日、ある編集者が
世界一の計算速度に固執した国策の次世代コンピュータ。無駄な予算を判定する行政刷新会議の事業仕分けは、なぜ、事実上の凍結判定を下したのか。計算科学の専門家で、仕分け人として鋭い指摘を関係者らに浴びせかけた東京大学の金田康正教授は、迷走した一連のスパコン問題の根底には「日本の科学と技術への無理解がある」と指摘。「技術立国ニッポン」は虚像であることが露呈したことを示唆する。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ) 予算復活はいいが不本意 迷走した国策スパコン事業の予算が復活した。率直な感想は。 現時点(12月18日)で文部科学省の見直し内容の詳細が公開されていないため、あくまでマスコミ発表の情報を基に議論せざるを得ない。そのため、どの点を見直すべきかコメントしづらい状況ではあるのだが、率直な感想としては「予算が復活したことはいいが、不本意である」ということだ。 スパコン事業が凍結となれば、日本の技
20世紀は情報の時代と呼ばれた。18世紀の蒸気機関の発明時に,エネルギという概念が生まれ,20世紀には物質,エネルギ,情報という3階層の技術分類が幅を利かせた。今は2009年の暮れ,21世紀になって久しい。いつまでも,3階層では芸がない。 21世紀初頭は物質,エネルギ,情報の再統合の時代に思える。流行りのグリーンITは,エネルギーと情報の統合化であり,電子タグは情報と物質の統合化である。現在の工場は原料や中間品を運ぶコンベヤやパイプが張り巡らしてある。それに並行して設備にエネルギを供給する電力線が張り巡らされている。さらに,「見える化」と称して設備機器の稼働状況を監視するために産業用ネットワークが敷設されている。これを20世紀型工場と呼ぼう。 21世紀型は,この20世紀型を脱却しなければならない。情報化と並行した「生物に倣う」という技術トレンドを踏まえると,物質,エネルギ,情報の統合型が2
シュウカツが始まった。説明会だ,エントリーシートだと落ち着かない。昔から私も履歴書を前にすると落ち着かない。学歴,職歴,現住所。ここいらは淡々と記入すればよい。しかし,長所・短所の欄には苦悶する。何が長所だ? 何が短所だ? 講演後に「先生,お話がお上手ですねー」と褒められることがある。褒められたのか?いやいや,口先だけだとお叱りを受けたのかもしれない。物事は単純ではない。長所,気が長い。短所,決断が遅い。長所,決断が早い。短所,短慮。長所,明るい。短所,身勝手。長所,まじめ。短所,融通が利かない。 いやー,物は言いよう。同じことが長所にも短所にもなる。人生はオセロゲーム,白黒は目まぐるしく変わる。失敗は成功の母,成功は失敗の母。履歴書に,「長所,親しみやすい。短所,節操がない」と記入して採用してもらえるのだろうか。私が面接担当なら,よろこんで突っ込みを入れるだろう。そして,お返事が良ければ
「YouTubeにアップされたミュージシャンの演奏ビデオを再生すると,映像と同期して目の前のピアノがその演奏を再生する」「子供の頃からのピアノ演奏をすべてクラウドに保存して,いつでもその演奏を呼び出して再現する」──2009年10月6日に開催された「CEATEC JAPAN 2009」のヤマハのブースでは,こうした時や空間を超える近未来の音楽体験「PLAY iT」を体験できる。 ヤマハが披露しているのは,「時を超える」「空間を超える」「演奏の枠を超える」「リアリティを超える」「ソウゾウを超える」の五つのデモンストレーション。例えば,「時を超える」では,同社の自動演奏ピアノ「ディスクラビア」で演奏した際の情報(MIDIと絶対時刻)をクラウド・サーバーに保存し,オンデマンドに呼び出して再生できる「Piano Lifelog」と呼ぶ技術を使う。これによって子供の頃からの演奏記録をすべて保存してお
慶應義塾大学と日立製作所,ルネサス テクノロジは共同で,3次元積層したマイクロプロセサとSRAMを,誘導結合通信で接続する技術を発表した(講演番号28.7)。マイクロプロセサとSRAMの間で,1ビット当たり1p(ピコ=10-12)Jという低い電力でデータを伝送できることを実証した。商用に近いチップを使ってシステム・レベルで動作を実証した点において,「誘導結合通信を実用化へ近づける大きな成果」(慶應義塾大学 理工学部電子工学科 教授の黒田忠広氏)とする。
少子化が日本の技術や技術者に及ぼす影響を本コラムの主題の一つにしている。2007年問題とも言われたが,熟練者の退職による技能・技術の消失や安全性などの低下の問題である。もっとも,少子化は今に始まった話ではない。だから,影響は既に深刻化している。叔父さんがいなくなった。 私の両親は共に5人兄弟の次男と次女である。だから,多数の伯父,伯母,叔父,叔母がいらっしゃる。既に他界された方もいるが,成長期に大変お世話になった。このコラムを借りて御礼申し上げる。 私事はともかく,昔は長子相続の慣習が根強かった。親から見れば長男は手元において,堅い職業に就かせることが主流であった。田を継ぐ者,公務員になる者である。もちろん,立身出世,末は博士か大臣かと親の期待を一身に背負った長男も多かったはずである。 長男以外はスペアである。溺愛する末子を除けば後は野となれ山となれ。かわいさに差は無くても,実質長男以外は
1月20日,次期米大統領バラク・オバマは就任演説を行う。その中で語られる経済政策の中で,最重要ポイントになるのが「グリーン・ニューディール政策」だろう。 ニューディール政策は世界史の教科書にも出てくるぐらい有名だが,フランクリン・ルーズベルト大統領が1933年に世界大恐慌に対処するために打った一連の経済政策である。それまでの自由市場的な政策を改め,公共事業の実施や法制による労働時間の短縮などを含む新しい経済政策であった。ポイントは「政府の関与による雇用の創出」である。 ニューディール政策によって本当に景気が回復したのだろうか。この問題については様々な議論があって,直後に起きた第二次世界大戦の軍需がなければ,アメリカ経済は回復できなかったという評価もあるようだ。もしもこの説が正しいとするのなら,経済を復興させるには,資源を最も無駄にする戦争が最善策だということになる。 現時点の米国経済は,ま
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。 世の中,不景気。おめでとうでは能天気と怒られそうだが,挨拶ぐらいは明るくしないと正月も越せないほど世の中が暗い。原因は金融危機。製造業はとばっちりと愚痴の一つも言いたくなる。しかし,米国が詐欺的に好況で,釣られて欧州が好況だったときに日本の製造業も随分儲けたはずである。何,技術者には還元されなかった? その通り。株主様と経営者様が儲かった21世紀資本主義型バブルである。 経営者は大儲け。低所得者もマイホーム。誰でも儲かったのがついこのあいだまでの米国。そして,そんな米国に大量の商品を輸出して儲けたのが中日。さらに,サブプライム債権で大儲けを企んだのが欧州。いやー,大規模な詐欺ですね。裏では,イノベーション真っ盛り。悪いイノベーションの先端は犯罪者。技術者のイノベーションより足が速い。さて,何でも先生。この段階で分かっていることを三
私の専門の一つは自律分散システム論である。ここでは,数がものを言う。大量生産のように多ければ善という単純なものではなく,数に応じて性質がどのように変わるかを研究している。難しく言えば,定量的な分析と定性的な分析の融合である。そのような研究の一環を,本コラムでも「人生は二社調達」として「1」と「2」の違いを紹介した。今回は,「2」と「3」の違いを説明したい。 ここでは,女性問題を例にする。真面目な技術者が読者であるので,女性問題を取り上げるのには少しちゅうちょがある。しかし,数が変わると,問題の質が大きく変わる好例であるので勘弁していただきたい。同時に,女性の方は一般性を失うことなく,性別を入れ換えてお読みいただければ幸である。 一度に何人の女性を愛するかという人類普遍の課題である。読者諸氏のように一人の女性を愛し続ける。OKです。素晴らしい。それは死ぬまで続けて欲しい。これが「1」という世
「技術力には自信があるんだけど、どうもカネ儲けがヘタでねぇ」 メーカー在籍時代、さらには記者として多くのメーカーで経営者や技術者にお話をうかがうたびに、耳にタコができるほど聞いたフレーズである。文字で書けば自嘲、反省の弁ともとれるが、実際に生でうかがうとそうでもない。ほとんどの場合、笑顔で、ときに誇らしげに語られるのである。 私も多少は常識をわきまえた社会人なので、そのような場面に遭遇すれば微妙な笑顔で「そうですかぁ」などとあいまいに受け流す。だが、責任ある立場の人からこのような発言が飛び出すと、かつて技術者であった私はそのたびにイラっとしたものだ。発言は「技術者は頑張っていい技術を開発してくれるけど、会社はその成果を利益に結びつけることができない」ことを白状したもので、誇らしげにそれを言うということは「それに関して責任はぜんぜん感じていない」ということだろう。少なくとも私には、そう聞こえ
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