株式会社 日経BP 〒105-8308 東京都港区虎ノ門4丁目3番12号 →GoogleMapでみる <最寄り駅> 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」4b出口より徒歩5分 東京メトロ南北線 「六本木一丁目駅」泉ガーデン出口より徒歩7分
昨今、景気が大きく冷え込んでいることは衆目の一致するところでしょう。つい先日まで「戦後最長の好景気」「新卒は空前の売り手市場」などと報じられていたのが夢物語です。この1年で倒産した上場企業は過去最高を記録しましたし、企業が学生の内定を取り消したというニュースもマスコミを大きくにぎわしました。 わたしがこういう事態になることを察知したのは2008年の8月です。その時わたしはA社の社長から相談を受けた。「これから我が社は『聖域なき経費削減』に取り組む」と。わたしにとってA社は先行指標の会社です。A社が業績を伸ばせば遅れて世間も景気が良くなる。逆にA社の業績が低迷すれば、ほどなくして世間も冷え込む。両者の因果関係を精査したわけではありませんが、そういう経験則をわたしは持っている。 そのA社が「経費削減に取り組む」という。これは由々しき事態です。少々業績が低迷したところで会社の内部留保は厚いが
第163回:人間の価値を金で測る 「クレジットスコア」導入に大反対する 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2008年12月8日 「大型バイクの高速道路二人乗り解禁」「郵政民営化」「コンビニでの医薬品販売解禁」「時価会計制度の導入」「法科大学院設立」「製造業への派遣労働の解禁」 ―― どれも最近の自民党政府の下で導入されたものだが、これらすべてに共通することがある。それが何かお分かりだろうか。 それは、米国政府が日本政府に求めた「年次改革要望書」に記されていた内容であるということだ。 年次改革要望書は、正式には「日米規制改革および競争政策イニシャティブに基づく要望書」という。日米政府がお互いに、相手政府に対する制度改善を求めた文書で、1993年、宮沢内閣当時から始まったものである。 郵政民営化は小泉元総理の専売特許だと信じられているが、こうしたいきさつを見ていくと、じつは
9月15日、米国のリーマン・ブラザーズ証券が経営破綻した。158年の歴史を持ち、全米第4位の証券会社が姿を消すことになったわけだ。 同時に、全米第3位のメリルリンチも、バンク・オブ・アメリカに買収された。半年前に破綻した全米第5位のべアー・スターンズを加えると、米国の第3位から5位までの証券会社が、わずか半年の間に消えるという異常事態が起こったのである。 そして、証券第2位のモルガン・スタンレーも、三菱UFJフィナンシャル・グループから1兆円近い出資を受けることになった。 米国では、最大7000億ドル(約73兆円)の不良資産を金融機関から買い取るとする金融安定化法案をようやく可決したが、サブプライムローンに端を発した金融危機はまだまだ終息しそうにない。 これまで、米国の金融機関自らが処理した金額は30兆円程度。今回の法律で米国政府は70兆円以上の不良債権の買い取りを実施するのだから
わたしが「日本経営品質賞にチャレンジしよう」と決定したのは1992年のことでした。当時の我が社には、暴走族の特攻隊長上がりやら、三多摩地区全域をシメていたスケバンやらといった素晴らしい人材がたくさんいました(いや、今でもいます。しかも相応に出世して)。だから、通常ならエリート企業がエントリーする日本経営品質賞に挑むのは、かなり無謀なことといえた。 それでも、具体的な目標がなければ人は努力しません。努力がなければ我々はいつまでも「あの落ちこぼれ集団が」と、ご近所の皆様から後ろ指を指される状態から脱却できません。そこで始めたのが、当連載でも何度かお話ししている早朝勉強会でした。毎朝7時半から8時45分まで、わたしが先生役になって社員にゼロからさまざまなことを教えていった。 わたしが「早朝勉強会を実施する」と発表したとき、社員からは強い反発がありました。当然でしょう、彼らは勉強が嫌いだから、
前回のコラムでわたしは、原油価格が近い将来、劇的に暴落する事態が起きるだろうと書いた。では、原油価格が大暴落したのちに何が起きるのか。今回はこの点について述べよう。 去る7月25日に、6月の全国消費者物価指数(生鮮食料品を除く)が発表となった。それによると、前年同月比1.9%の上昇と、15年半ぶりの高い上昇率である。 その後も、8月に入ってからは、卵、チーズ、ハム・ソーセージ、冷凍食品などが次々に値上げされ、10月には小麦粉の政府売り渡し価格が20%引き上げられる予定となっている。電気料金も9月に改定があり、さらに来年1月からは一世帯あたり平均800円(東京電力の場合)の大幅な値上げが見込まれている。 この調子でいくと、年内には消費者物価上昇率が3%台に乗るというシンクタンクの予想も出てきた。3%台というのは、バブル最盛期の上昇率である。 この大きな原因は、言うまでもなく原油価格や
「サマータイム」という言葉を聞いたことのある読者は少なくないと思う。これは昼間の長い夏季に時計を1時間早める習わしのことで、欧米を中心に世界のいろいろな国々で導入されている。夏は日が昇るのが早いので、時計もその分早く進めてアフター5を有意義に過ごそうというわけだ。 ここ数年、政財界を中心にたびたび「日本でもサマータイムの導入を」という話題が上がり、そしてその都度立ち消えになっている。最近では今年(2008年)6月9日、自民党が政調全体会議を開いた。サマータイム法案の扱いを谷垣禎一政調会長に一任することに決めたのである。これはもう「日本でサマータイムは実現しない」とイコールだ。 何しろ谷垣氏といえば、大蔵省時代から「(財政再建と増税以外は)ミスターやらない派」の名前をほしいままにしていた人物である。彼に一任となれば、サマータイムが導入されることはないと見たほうが正しい。せっかくサマータイ
京都府の精華町と木津川市の境界に、「私のしごと館」という職業訓練施設がある。関西文化学術研究都市(学研都市)の精華・西木津地区にある独立行政法人「雇用・能力開発機構」が運営しているものだ。 交通はかなり不便で、大阪、京都の中心部から、どちらも1時間くらいかかる。東京でいえば、筑波学園都市のような場所に建っているものと考えてもらえればいい。 この「私のしごと館」は、明らかなバブルの遺産である。2003年に581億円をかけて建設されたもので、全長200メートル、3万5000平方メートルという巨大な建造物。わたしは初めてこの建物を見たときに、すぐに戦艦大和を連想した。 ご多分にもれず、この「私のしごと館」は大幅な赤字を出しており、その額は毎年十数億円。2006年度決算では14億7700万円であった。運営交付金は事業主負担のみの雇用保険料、いわゆる「雇用保険2事業」から出ているが、これをどう
たばこ増税は「取らぬ狸の…」〜税制について抜本的な議論をすべきだ たばこ税を増税して、「たばこ1箱1000円」にしようという話があちこちで聞かれる。たばこ税増税推進派の試算によれば、約9兆円の税収増が見込まれているらしいが、はたしてどれほどの根拠がある数字なのだろうか。たばこが好きだから増税反対、たばこが嫌いだから増税賛成という次元ではなく、本当に税収が増えるかどうかという客観的な検証が必要なはずだ。 1000円に値上げして、たばこ代が年間40万円近く わかりやすく考えてみよう。現在1箱300円のたばこが増税されて、1箱1000円になったとする。毎日1箱強吸って毎月1万円をたばこ代に使っていたとすれば、増税によって毎月3万円強になる。年換算だと、12万円だったたばこ代が40万円近くに跳ね上がるわけだ。 そうなると、当然、喫煙者は吸う本数を減らすか、喫煙自体をやめてしまう。携帯電話や
ここに来て、過激なたばこ増税論があちこちから噴出してきた。 一つのきっかけは、日本財団笹川陽平会長が、2008年3月からブログなどで発信している「1箱約300円という日本のたばこの値段は安すぎる」という主張であると思われる。 笹川氏によれば、1箱1000円にすれば9兆5000億円の税収増が見込めるという。値上げによって消費量が3分の1に減っても3兆円を超える税収増となる。そこで、社会保障の財源として消費税より先に議論すべきだというわけだ。さらに、値段が上がれば禁煙をする人が増えて健康被害が減り、医療費削減にもつながるというのが氏の主張である。 だが、この試算は本当に信用できるのだろうか。 たばこの値上げについては政界からも賛同する声が多い。超党派の「禁煙推進議員連盟」に属する有志議員の活動も再開されたようだ。 しかし、たばこに対する増税は、ここ20年間で頻繁に繰り返されてきた。1
最近、情報通信系メディアで、「ガラパゴス現象」との表現が頻出している。日本企業の技術やサービスが、日本市場の中だけで高度に発展してしまう様子を言う。その間、世界市場では標準的な技術やサービスが普及。日本企業の技術やサービスが特殊化する。その結果、日本企業の海外進出が難しくなるばかりか、日本市場の危機も招いてしまうというのだ。 話の前提として、ガラパゴス諸島について振り返りたい。ガラパゴス諸島とは、南米エクアドル沖の太平洋上に浮かぶ群島のこと。大陸と離れた環境なので、ここには独自の進化を遂げた生物(固有種)が数多く存在する。例えばガラパゴスゾウガメやウミイグアナなどは、この地域にしか存在しない。 ところがこのような固有種は、外界と接触することで危機にさらされる場合がある。実際ガラパゴス諸島でも、人間の流入が原因で固有種の絶滅危機が起こった。例えばガラパゴスゾウガメは、18〜19世紀の乱獲
このところ、通り魔による事件が増えている。先日、5月末にも大阪枚方市で二人の少年と女性をケガさせた通り魔犯人が東京に逃げて逮捕された。 路上でいきなり女性や子供を襲う連続通り魔事件も全国で頻繁に発生している。今年3月、茨城県土浦市のJR荒川沖構内で24歳の男が次々と男女8人を刺し、殺人を犯した事件も記憶に新しい。 金川真大容疑者は携帯電話から「早くつかまえてごらん」などと警察に電話して挑発した挙げ句、「人を殺すなら誰でもよかった」とうそぶいた。 通り魔犯たちの多くは「死刑になるために殺した」とか「事件を起こせば刑務所に行けると思った」などと勝手な理屈をつけて、何の関係もない人を傷つけ、殺している。 しかも、自分が逆襲されるのが怖いのか、自分より弱い女性や高齢者、子どもを狙う。自分は傷つきたくないが、人はどうなってもいいというあきれ果てた発想だ。
第26回 水を使わない男性用小便器におわず運用コストは4分の1[水問題] 日本国内には250万~300万台の男性用小便器があるとみられる。1回使うごとに流す水は1~5ℓ。きれいな水を大量に消費している。そこで、水を使わず、においも抑えた画期的な便器が登場した。 文/吉岡 陽(日経エコロジー) 南海鉄道の難波駅の無水小便器。微生物の繁殖しやすい水洗に比べて驚くほどにおいがしない。「無水はにおう」というイメージを持たれないように、床の清掃も水を極力使わない方法に改めた 大阪府を縦断する南海電気鉄道は、3月までの1年間に18駅、73台の男性用小便器を無水に切り替えた。節水効果は年間2万2000t。約7万人が家庭で1日に使う水の量に匹敵する。CO2排出を約12.7t削減できる計算だ。同社はさらに導入を進める。 水を流さないと不衛生のようにも感じる。だが、利用者が多い難波駅のトイレは、驚く
「後期高齢者」で不満再燃 なぜ福田内閣は支持されないのか 福田内閣の支持率がどんどん落ちている。 朝日新聞が今月19、20日に実施した全国世論調査では、福田内閣の支持率は25%で、前回調査の31%を大きく下回り、内閣発足以来、最低だった。日経新聞が18〜20日に実施した調査でも、前回から2ポイントダウンの29%、読売新聞が12、13日に実施した調査では前回から3.9ポイントダウンの30%、毎日新聞が5、6日に実施した調査でも前回調査から6ポイントダウンの24%と、いずれも内閣発足以来、最低の数字だ。 この原因は一体何か。 新聞の論説と国民感情が真逆に 福田内閣のやることなすこと全部が国民の反発を呼んでいる。例えば、福井俊彦・日銀総裁の後任として、福田内閣は武藤敏郎・副総裁の総裁への昇格を提案した。新聞各紙は、「武藤総裁案には納得できる」と書いていた。しかし、「財政と金融の分離」の
驕るなクリエーター、著作権保護は「創作から5年」で十分 著作権延長論に物申す 今、著作権の保護期間を延長しようという動きがある。 現在、著作権は創作者の死後50年間保護されることになっている。僕が今書いているこの文章の著作権は、僕があと40年強でくたばるとして、だいたい2100年頃まで続くわけだ。その期間、僕(そして僕の死後は僕の相続人)は他人がこの文章を使用することについて物言いをつけることができる。 それを創作者の死後から「70年」に延ばそうという声が上がっている。この文章の権利が、2120年あたりまで続くようにしようというわけだ。そして、それに反対する声が一方である。僕は明確に反対の立場を取っている。 賛成派と反対派の議論がかみ合わない理由は… 12月11日、この問題についてシンポジウムが開催された(主催:著作権保護期間の延長問題を考える国民会議)。延長賛成派として松本零士
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