7月中旬、旧ソ連の一角で起きた小規模な軍事衝突に、アメリカ、EUなど世界が一斉に反応した。その背景を見ていくと、エネルギー資源を巡る各国のパワーゲームと思惑が浮かんでくる。実は日本も「遠い世界の話」と無関心ではいられないこの「コーカサス地域」の今を、関係する各国に焦点を当てながら考えてみたい。 7月に衝突を起こしたのは、コーカサス地域にある国、アゼルバイジャンとアルメニアだ。軍同士が国境の街で衝突、その後も断続的に双方の攻撃が続き、少なくとも20人の犠牲者が出たとされている。きっかけは明らかになっておらず、お互いが相手側から先に攻撃して来たと主張している。 アゼルバイジャンの中には、アルメニア人が多数派を占める「ナゴルノ・カラバフ自治州」という地域があり、彼らが1980年代後半にアルメニアへの併合を求め武装闘争を開始した。やがて起きた両国間の軍事衝突はソ連崩壊後には全面戦争に発展、約3万人
