安倍晋三首相が悲願とする憲法改正実現のための国会発議に向け、与野党それぞれの党内論議が進み出している。自民党憲法改正推進本部(本部長=細田博之元幹事長)は首相の意向も踏まえて、3月25日の定期党大会までに同党の改憲案をまとめ、予算成立後の国会提起を経て、衆参両院憲法審査会での与野党論議本格化を目指す。首相や党執行部は天皇陛下の退位などで2019年前半の政治日程が窮屈なことから、「改憲実現へのチャンスは今しかない」(首相側近)として年末までの国会発議、2019年前半の国民投票実施を狙う構えだ。 ただ、「安倍改憲」の最大のポイントとなる憲法9条改正による自衛隊明記では自民党内に異論があり、与党の公明党も慎重論が大勢だ。しかも、日本維新の会と共に野党陣営の改憲勢力と位置づけられていた希望の党も、民進系再結集に向けて9条改正反対の立場を明確にしている。このため、首相サイドにも「年内発議を強引に進め