マグロウヒル社は「歴史的事実をめぐって、米歴史学者たちがぶれることはない」と断言する。だが、歴史学者らの「ぶれ」はすでに表面化しており、教科書の出版元への批判も一層強まりそうだ。 「日本軍は売春宿で働かせるために20万人にもおよぶ14歳から20歳までの女性を強制的に募集し、徴収し、制圧した」。慰安婦問題について、マグロウヒル社の高校世界史の教科書にはこうした記述を含め、公的な資料に基づかない記述が随所にみられる。 日本政府が同社に対し、不適切な記述を是正するよう申し入れると、米歴史学者19人(後に1人増え20人)は学術・研究に対する政治の介入を印象づけるように、これを拒む声明を出した。 ところが、その後発表された、戦後70年談話の発表をひかえる安倍晋三首相に「偏見のない(過去の)清算を残そう」とする日本研究者ら187人による声明は、「『慰安婦』の正確な数について、歴史学者の意見は分かれてい