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ブックマーク / www.enpitu.ne.jp (9)

  • 桜庭一樹さんに直木賞をもたらした、角川スニーカー文庫の編集者の言葉 - 活字中毒R。

    『週刊文春』(文藝春秋)2008/2/21号の「阿川佐和子のこの人に会いたい・第717回」より。 (『私の男』で、第138回直木賞を受賞された作家・桜庭一樹さんと阿川さんの対談の一部です) 【阿川佐和子:こうすりゃ売れるだろうって気がついたことはありますか。 桜庭一樹:読者を考えながら書かなくちゃいけないんだなと思いました。 阿川:何がきっかけで? 桜庭:中村うさぎ先生に「こういうものはこの人にしか書けない」と言われたような一冊を書こうと思って、『赤×ピンク』を出したんです。出だしから泥レスをしている女の子が転がり出てくるようなインパクトがある小説なんですけど。 阿川:確かにインパクトありそう。 桜庭:そうしたら、角川のスニーカー文庫の編集さんに言われたんです。「極端なストーリーでも書きっぱなしにせずに読者が共感できるようにわかりやすくしなくちゃ。読者の70%が自分のことを言われているよう

  • よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 活字中毒R。

    人生の旅をゆく』(よしもとばなな著・幻冬舎文庫)より。 【この間東京で居酒屋に行ったとき、もちろんビールやおつまみをたくさん注文したあとで、友だちがヨーロッパみやげのデザートワインを開けよう、と言い出した。その子は一時帰国していたが、もう当分の間外国に住むことが決定していて、その日は彼女の送別会もかねていたのだった。 それで、お店の人にこっそりとグラスをわけてくれる? と相談したら、気のいいバイトの女の子がビールグラスを余分に出してくれた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。 それであまりおおっぴらに飲んではいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、一のワインを七人でちょっとずつ味見していたわけだ。 ちなみにお客さんは私たちしかいなかったし、閉店まであと二時間という感じであった。 するとまず、厨房でバイトの女の子が激しく叱られて

  • 活字中毒R。

    『ドラえもん学』(横山泰行著・PHP新書)より。 (「第3章 あらすじで読むドラえもん」のなかで紹介されている「のび太の結婚前夜」のあらすじ) 【劇の稽古とも知らずに、しずちゃんと出来杉が演じる白雪姫のラストシーンを目撃したのび太は、顔を真っ赤にして「わ〜っ!! 手なんかにぎっちゃってや〜らしいやらし〜い」と、いつものように嫉妬の炎を激しく燃やす。「それにしても……。まるでほんとみたいだったなあ。このままだと、しずちゃんを出来杉にとられるのではあるまいか」とクヨクヨ考え込むのび太に、ドラえもんはタイムマシンに乗って結婚式を見てくるように勧める。 ついに重い腰を上げ、未来に向かった二人。結婚式場であるプリンスメロンホテルに到着すると、急ブレーキをかけながら車を乗りつけ、大慌てで駆けこんでいくお婿さんののび太を発見する。受付で式場を尋ねると、返ってきた答えは「野比のび太さまと、源静香さまのお式

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    nasuhiko 2008/12/29
  • 「みんながどうして小説を早く読めるのかわからないですよ」という森博嗣さんの読書法 - 活字中毒R。

    『一個人』2008年10月号(KKベストセラーズ)の特集記事「2008年度上半期・人生、最高に面白い」より。 (「もう一度、読み返したい〜人気作家10人がお勧めする究極の3冊」という記事の森博嗣さんの項から) 【昼間は大抵階下の工作室で作業をしているんです。長時間続けて同じことをするのが苦手なので、いろいろなものを同時並行で作っているんですよ。ゲラの確認や小説の執筆なども10分とか20分とか、小刻みに時間を区切って同時進行しています」 工学博士であり、なかでも建築が専門の森博嗣さんは、自らが設計した工作室兼書斎で一日の大半を過ごしている。もとはガレージだったというその場所には、車の代わりに鉄道模型や飛行機模型が所狭しと並び、棚らしきものは見当たらない。 「基的に再読はしないので読んだはとっておかないんです。だから、棚もありません。雑誌には数十冊ほど目を通しますが、小説は年に3、

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    nasuhiko 2008/09/06
  • 活字中毒R。 『徹子の部屋』が、「一切編集をしない」3つの理由

    『聞き上手は一日にしてならず』(永江朗著・新潮文庫)より。 (ライター・永江朗さんが、各界の「プロの聞き手」10人に「聞き方の秘訣」についてインタビューしたから。黒柳徹子さんの回の一部です) 【永江朗:『徹子の部屋』は世界でも珍しい長寿番組になりましたね。ひとりで司会するトーク番組としては世界最長だとか。長く続くからには、それだけ画面にはあらわれない苦労も多いと思います。収録の前には、どの程度、スタッフとミーティングをするんですか。 黒柳徹子:月曜、火曜で6録っています。当は5でいいわけですけど、少しずつ余裕を見て。6録れば、1ヶ月で4のストックができます。何があるかわかりませんからね。ユニセフの仕事海外に出かけるため、夏休みとして収録を2週お休みします。芝居の舞台稽古があって休むこともあります。毎週、金曜日に打ち合わせをするのですが、いまディレクターが14人ぐらいいまして、

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    nasuhiko 2008/05/27
  • 活字中毒R。 - 「コピーライターとしての資質を一瞬で見抜く」ための、たった一つの質問

    『質問力』(齋藤孝著・ちくま文庫)より。 (「コピーライターの資質を一瞬で見抜く質問」という項の一部です) 【谷川俊太郎さんの質問もすばらしいが、もうひとつダ・カーポ別冊『投稿生活』(2002年6月1日号)という雑誌に掲載されたコピーライターの仲畑貴志さんのインタビューに、秀逸な質問の例があったのでここに紹介しておこう。 仲畑さんの事務所でコピーライターを募集した時の質問だ。仲畑さんの質問をご紹介する前に、一瞬自分で考えてみて下さい。 「もし自分が経営者でコピーライターの社員を雇う場合、あなたは入社試験でどんな質問をするでしょうか?」 質問自体はコピーライターの専門家でなくても何とか考え出せるものだ。だがよい答は難しい。 仲畑さんの質問は「あなたがいいと思うコピーを10個書いてください」というものである。仲畑さんによれば、この答を聞いただけでだいたい能力がわかるというのである。もしあげた1

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    nasuhiko 2008/02/26
  • 活字中毒R。

    『hon-nin・vol.05』(太田出版)より。 (吉田豪さんのインタビュー記事「hon-nin列伝・第六回」の一部です。ゲストは江頭2:50さん) 【吉田豪:それで大川興業に入ってから、江頭さんの中では将来どうなりたいっていう目標はあったんですか? 江頭2:50:う〜ん……たとえば大川総裁が田中角栄邸に突撃する話とかが大好きでしたから、やっぱりそういうのになりたいって思ってましたね。 吉田:その方向性だと、テレビにはまず出られないという危惧とかもなく。 江頭:ああ、まったく全然テレビとか気にしてなかったですね(キッパリ)。だって、大川興業って、たとえば小田急の向ヶ丘遊園で営業やるじゃないですか。普通だったらステージでネタだけやればいいのに、違うんですよ。目の前のお客さんじゃなくて、「関係ない遠くの人たちを笑わせてこい」とか振られて。俺、走りながら考えましたよ。そしたら、そこにちょうどジ

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    nasuhiko 2007/12/20
  • 猫の夜更かし

    お昼をべている最中、同僚のひとりが「見て、見て」と小さな紙片をみなに配りはじめた。カラフルな自作の名刺である。 パソコンで作ったらしくまめだなあと感心していたら、携帯番号の下の「http://」ではじまる一行が目に留まった。 「へええ、ブログやってるん?」 「そうやねん、まだはじめたばっかりやねんけど。みんな来てな〜」 最近こういうことがちょくちょくある。インターネットに関心があるようにはまったく見えなかった友人知人が次々とブログやmixiをはじめ、URLを知らせてくるのだ。 私はそんなふうに教えてもらったサイトはブックマークに追加してときどき訪問するようにしているのであるが、一番の仲良しの同僚はロッカールームでもらった名刺をバッグにしまいながらぼそっと言った。 「こんなこと言ったら申し訳ないけどさ、他人の私生活なんか興味ないねんよな……。友達でも何人かブログやってる子おって、見に来てと

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    nasuhiko 2007/11/26
  • 活字中毒R。

    「週刊SPA!2007.2/6号」(扶桑社)の「文壇アウトローズの世相放談・坪内祐三&福田和也『これでいいのだ!』」第226回より。 【坪内祐三:著作権ってさ、文芸・音楽・美術は作者が死んだあと50年間有効でしょ。それを今、日文芸家協会が、三田誠広('77年に芥川賞を受賞した小説家)を中心に70年間に延長しようと運動してて、反対派とモメたりしてるんだよ。 福田和也:勇気あるよね〜。自分の作品が死後に残ると思ってるんだね。 坪内:思ってるんだね。 福田:三田さん、今、著作権を放棄してもなんの実害もないでしょ。 坪内:それがさ、著作権の保護期間を70年間に延ばすべきだって人たちの主張が、スゴイ奇妙な論理なんだよ。それこそ、金井恵美子も『一冊の』で批判してたけど。なんかさ、「若くして著者が死んだときに、残された子の生活が……」って言うわけ。だけど、親が死んだときに子供が0歳だったとしても、

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    nasuhiko 2007/03/07
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