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ブックマーク / ikedanobuo.livedoor.biz (27)

  • 「セカンドレイプ」という男性差別 : 池田信夫 blog

    2019年12月19日23:31 カテゴリメディア 「セカンドレイプ」という男性差別 伊藤詩織事件についての論評がマスコミにあふれているが、その圧倒的多数は伊藤側の立場からのコメントだ。 アゴラに書いたように、私も警察の捜査には疑問をもっているが、山口敬之氏は結果的に不起訴になったので「性犯罪」は存在していない。 今回の民事訴訟の判決はそれをくつがえすものではなく、「同意なき性行為」が民法上の不法行為にあたるという判決である。ところが記者会見で伊藤氏は「Hanadaなどを訴える可能性があるか」という質問に「法的措置を考えている」と答えた。 「ウェブに残してしまうこと自体が、色んな人を沈黙させてしまう理由になる」 2017年、元TBS記者の山口敬之さんから「性被害を受けた」として裁判を起こした伊藤詩織さん。 12月19日の会見で、セカンドレイプ被害への法的措置をとると明かしました。 pic.

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  • 被災者の地獄への道は村上春樹の善意で舗装されている : 池田信夫 blog

    2015年04月11日17:29 カテゴリその他 被災者の地獄への道は村上春樹の善意で舗装されている かつて私は村上春樹の小説の熱心なファンだったが、彼の社会的な発言は単なる平和ボケの団塊オヤジだ。いま話題になっている「原発NO!に疑問を持っています」という話でも、「交通事故で毎年5000人近くが亡くなっているのに、原発だけを取り上げてNO!というのはどうかと思う」という読者の質問に、村上はこう答える。福島の原発(核発電所)の事故によって、故郷の地を立ち退かなくてはならなかった人々の数はおおよそ15万人です。桁が違います。[…]もしあなたのご家族が突然の政府の通達で「明日から家を捨ててよそに移ってください」と言われたらどうしますか? そのことを少し考えてみてください。原発(核発電所)を認めるか認めないかというのは、国家の基幹と人間性の尊厳に関わる包括的な問題なのです。まず彼はここで毎年50

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    nasuhiko
    nasuhiko 2015/04/12
  • 在日はなぜ帰化しないのか : 池田信夫 blog

    2014年09月28日12:53 カテゴリ法/政治 在日はなぜ帰化しないのか 慰安婦問題はもう終わったが、それを生んだ日韓の歴史問題は解決しない。基的な事実認識がまだ共有されていないので、補足しておこう。在特会が在日の特別永住資格を「在日特権」と呼ぶのは、それなりに理由があるが、その理由は誤っている。 韓国の公式史観では、大韓民国の建国は1948年ではなく、1919年に上海でできた「大韓民国臨時政府」という亡命政権である。彼らは日韓併合の前から抗日戦争を戦い続けて、1945年の「光復節」で勝利したことになっている。日系ブラジル人の「勝ち組」のようなものだ。 終戦のとき、当時の朝鮮半島は連合国の信託統治になる予定だったが、ソ連が北朝鮮を占領したため、1948年に大韓民国ができた。韓国はサンフランシスコ条約のとき、戦勝国に入れろと主張したが、連合国はそれを認めなかった。 彼らは1952年に日

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  • 忘れられた皇軍 : 池田信夫 blog

    2014年09月26日17:35 カテゴリ法/政治 忘れられた皇軍 数十人の(自称)元慰安婦よりはるかに重要なのは、24万2000人が動員されて2万2000人が死亡した朝鮮人の軍人・軍属である。しかし戦後、日に残った彼らは、軍人恩給も障害年金も受けられない。日国籍がないからである。 彼らは多くの訴訟を起こしたが、「日国籍のない元軍人には受給資格がない」としてすべて敗訴した。他方、彼らは韓国でも補償を受けられず、その存在そのものが抹殺されていた(2006年に韓国政府もようやく彼らを「戦争被害者」として認知した)。彼らはこの大島渚のドキュメンタリーで訴えるように、天皇陛下のために戦った皇軍として認知を求めたのだ。 これは彼らが帰化して日国籍を取れば解決するが、そうすると彼らは韓国では生きていけない。日でも、在日のコミュニティから排除されてしまう。日韓国から二重の差別を受けている在

  • 韓国併合は近代化の改革だった : 池田信夫 blog

    2014年09月24日01:19 カテゴリ 韓国併合は近代化の改革だった JBpressの記事の補足。日韓の「歴史問題」は事実関係においては決着しているが、その解釈には政治がからむのでむずかしい。韓国から日語でからんでくるコメントを読むと、「日帝36年」が幻想であることは認めるが、初期には「抗日戦争」があったと思いたいようだ。 たしかに1905年に日露戦争が終わってから、1910年の日韓併合までに(日軍の資料で)延べ14万人が参加し、1万7000人余りが死亡した「反日義兵闘争」があった。彼らの脳内ではこれが抗日戦争ということになっているらしい。 しかしこれは組織的な戦争ではなく、安重根のテロのような散発的なゲリラ戦で、日側の死者はわずか133名だった。このように死者の数が大きく違うのは、なぜだろうか。書の次の指摘は重要である。義兵闘争という形で行なわれた武装闘争を限界づけたのは、

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  • 洪思翊中将の処刑 : 池田信夫 blog

    2014年09月25日00:06 カテゴリ 洪思翊中将の処刑 今回の騒ぎの中で書を読み返した感想をメモしておく。このの半分以上は裁判記録で、うんざりして投げ出したのだが、そこで山がこだわっているのは「忠誠とは何か」という問題だった。 洪は陸大を出て、李王家以外では朝鮮人として最高の中将にまでなった人物である。その忠誠心は「いつめた」とか「面従腹背」といった言葉では説明できない。当時、最高の知識人だった洪が、なぜ「天皇陛下の軍隊」の指揮官になったのか――山はこの謎を解こうと3000ページ以上の裁判記録を追うのだが、その答は出ない。洪は冤罪に対して何も抗弁せず、処刑されたのだ。 それは合理的に説明すると、天皇制の背景にある儒教の思考体系が、日より儒教の影響の強い朝鮮の文化になじんだのかもしれない。洪は(朝鮮の知識人では普通だが)四書五経をすべて暗記していたという。中国に皇帝のいな

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  • 「朝まで生テレビ」のための論点整理 : 池田信夫 blog

    2014年09月25日11:56 カテゴリメディア 「朝まで生テレビ」のための論点整理 あすの朝まで生テレビは「激論!“慰安婦問題”とメディアの責任」。嘘がばれた福島みずほ氏も吉見義明氏も出てこないので、激論になるかどうか心配だが、スタッフのために論点を整理しておこう。日軍による強制連行はなかった:これは今回の謝罪会見で、杉浦編集担当が認めた事実である。8月5日の検証記事では曖昧に書いているが、吉見氏も含めて、朝鮮で強制連行があったと主張している研究者はいない。 民間業者による人身売買はあった:これを否定する人は1人もいない。人身売買は当時も違法行為であり、軍や総督府がそれを行なった事実はない。これを「広義の強制」に含めるなら、それがあったことも自明だ。このように歴史的事実は明白であり、専門家に論争はない。日政府の認識も同じで、1992年と93年に事実を認め、謝罪した。 問題は、嘘をつ

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  • 韓国人は戦争の加害者である : 池田信夫 blog

    2014年02月01日20:10 カテゴリ 韓国人は戦争の加害者である 何度も書いたが、意外に多くの人が錯覚しているのであらためて書いておこう。1910年から45年まで、朝鮮半島は日の領土だった。したがって韓国人は第2次大戦の被害者ではなく加害者である。 ウィキペディアによれば兵士の定員に対して50倍以上が志願し、合計24万人の朝鮮人が戦地におもむいた。だから中国人はともかく、韓国人が靖国参拝を批判するのは筋違いである。そこには彼らの祖先もまつられているからだ。 山七平の描いた洪思翊中将も、靖国にまつられている「英霊」の一人である。彼は(朝鮮籍の)日人として中国軍と戦い、南方で終戦を迎えてB級戦犯として処刑された。彼は陸軍士官学校を卒業して朝鮮人としては異例の中将まで昇進し、部下を集めた就任演説で「私は朝鮮人であるが、天皇陛下の命により今日からこの中隊を預る」とのべたという。彼が創

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  • 伊藤博文と日韓併合 : 池田信夫 blog

    2013年11月19日21:25 カテゴリ 伊藤博文と日韓併合 ニューズウィークの記事のおまけ。伊藤博文と朝鮮の関係については、テロリストの記念碑を建てようとする愚かな大統領は論外として、日でも「伊藤は日韓併合に反対した」とか「暗殺事件が併合の引き金になった」とかいう話があるが、それも間違いである。 そもそも憲法を制定して初代の首相をつとめた伊藤のような「大物」が、問題ばかり多くてメリットのない韓国統監などという仕事を引き受けたのが奇妙である。1906年当時は、まだ国内でも立憲政友会を立ち上げたばかりで、山県有朋との権力闘争もあり、朝鮮などに行く状況ではなかったはずだ。 著者は、伊藤のねらいは「憲法改革」にあったという。藩閥政治の妥協によってできた明治憲法は、天皇と内閣の二元支配で分裂した統治機構を抱えていた。特に「天皇の軍隊」と自負する軍の自律性が強まり、それを基盤とする山県は二元支

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  • 朝鮮半島は「東アジアのバルカン半島」 : 池田信夫 blog

    2014年01月30日21:56 カテゴリ法/政治 朝鮮半島は「東アジアのバルカン半島」 JBpressの記事について、ちょっと補足。日は(豊臣秀吉を除くと)朝鮮と戦争したことはないが、軍事的に支配したことは事実だ。それがよかったか悪かったかを問うのは、当時のイギリスのインド支配がよかったかどうかを問うのと同じ愚問だが、それがなかったらどうなったかを考えることには意味があるかもしれない。 当時の朝鮮半島は「東アジアのバルカン半島」であり、李朝の政権がきわめて脆弱だったため、いずれにしても独立国としては存続しえなかった。日が併合しなかったら、朝鮮半島はロシアの領土になっただろう。世界の関心は朝鮮がどうなるかではなく、それをどこの国が取るかにあった。 日清戦争は問題外の清を除外しただけで、1ヶ月半で終わった。当に大変なのは、日露戦争だった。日が勝ったのは、旅順やら日海海戦やらの司馬遼

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  • 天皇制の陰画としての慰安婦 : 池田信夫 blog

    2014年09月23日10:19 カテゴリ 天皇制の陰画としての慰安婦 標準的な朝鮮史研究では、慰安婦問題なんて検討の対象にもならないフィクションだが、韓国人が強い関心をもつのは、それが彼らの受けてきた民族差別の象徴だからである。「在日特権」どころか、在日韓国人は、職業でも教育でも強い差別を受けてきた。 このような被差別民は非日常的な記号として、天皇と対称的な位置から日常の象徴空間を支えている。書も指摘するように、同和や在日の差別は民族差別ではなく、天皇制を支える負の記号としての聖痕(スティグマ)なのだ。 たとえば有名な謡曲、「蝉丸」は天皇の子が盲目の琵琶法師になる物語で、戦前は不敬罪を恐れて上演できなかった。その粗筋は次のようなものだ:醍醐天皇(885~930)の第四皇子、蝉丸の宮は、生まれつき盲目でした。あるとき廷臣の清貫は、蝉丸を逢坂山に捨てよ、という勅命のもと、蝉丸を逢坂山に連

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  • 朝鮮兵はなぜ靖国神社にまつられているのか : 池田信夫 blog

    2014年09月22日00:44 カテゴリ法/政治 朝鮮兵はなぜ靖国神社にまつられているのか 韓国にとって、朝鮮人が「日兵」に志願した歴史は、受け入れがたいものらしい。徴兵(強制)はなかったのに、80万人以上の朝鮮人が50倍の競争率で望んで日兵となり、死地におもむいたのだ。ここに慰安婦などとは比較にならない重要な問題がある。 今週のメルマガにも書いたように、近代国家にとってもっとも重要な問題は、国のために死ぬという意識を生み出すことだ。それがナショナリズムだが、日人には――福沢諭吉も嘆いたように――もともと国民(ネーション)という意識がない。それなのに、あのように長期にわたる戦争を戦うことができた原動力は何だったのか。 それが天皇のために死ぬという意識だった。国家という抽象的な概念は武士には理解できなかったが、「主君への忠誠」の倫理は古くからあった。この場合の主君はそれぞれの家のある

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  • 日韓に「歴史問題」は存在しない : 池田信夫 blog

    2014年09月20日19:20 カテゴリ法/政治 日韓に「歴史問題」は存在しない 慰安婦問題は1993年に終わっているのだが、当時の経緯を知らない人が多いので、くり返しておこう。平野啓一郎氏はこう書いている。世界から、日軍が慰安所なるものを設置・運営して、深刻な人権蹂躙を行っていたこと自体を非難されてる時に、「いえ、家に押し入ったり銃剣突きつけたりした証拠ないですから!業者使って欺して連れてきただけですから!」と胸を張るのは何なのか?理解力がないのか、人権感覚が狂ってるのか。— 平野啓一郎 (@hiranok) 2014, 9月 19 これもうんざりする古い嘘だ。「業者使って欺して連れてきただけですから!」などと言っているのは、彼のように理解力も人権感覚もない小説家だけだ。彼の参照している永井和氏のウェブサイトにも、そんなことは書かれていない。彼は吉見氏と一緒に「広義の強制」を宣伝した

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  • 韓国への「感謝と慰労」が必要だ : 池田信夫 blog

    2014年09月20日21:18 カテゴリ 韓国への「感謝と慰労」が必要だ 歴史観の問題は大事なので、補足しておこう。書は「右派」の代表として有名な黒田勝弘氏(元産経ソウル支局長)と、今週解任された市川速水報道局長(元朝日ソウル支局長)の2006年の対談だが、意外なことに意見はほとんど一致している。 黒田氏は慰安婦問題は「虚構だ」といい、市川氏もそれに同意している。それだけではない。2人とも「韓国に対する償いが足りない」という点で一致しているのだ。黒田 戦争の被害者、日軍に徴兵された人や軍属など、旧統治時代に日軍人として苦労していただいた人には、日は国家の誠意として何かをしてあげるべきだと思ってます。65年協定ですべての対日請求権は国際法的には終わってる。[…]でも日国家の誠意として、旧日国民に対する恩恵、誠意、あるいは慰労といった措置をとったらどうか。 市川 軍人・軍属が韓

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  • 朝鮮人は日本人の同胞だった : 池田信夫 blog

    2014年09月21日12:34 カテゴリその他 朝鮮人は日人の同胞だった まだ野尻美保子氏のように錯覚している人がいるので、うんざりするが確認しておこう。戦前の朝鮮半島は日の領土であり、朝鮮人は日人の同胞だった。したがって中国やアジア太平洋での侵略戦争について、朝鮮人は加害者だったのだ。 志願して戦場に行った24万人の朝鮮人の軍人・軍属は、彼女の思い込んでいるように「給与がもらえる仕事から排除されて軍に志願した」のではない。洪思翊のように、陸大を卒業して中将になった人もいる。朴正煕も陸軍士官学校を卒業して満州国軍少尉に任官し、中尉まで昇進した。 彼らはなぜ、日軍に志願したのだろうか。洪思翊は「今の朝鮮は独立国としてはやっていけない。日と一緒に大きくなり、国力をつけてから独立しよう」と語ったという。朴正煕も同じようなことをいっていた。彼らにとって日はアジアで唯一、西洋の強国に対

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  • 人身売買の批判は「非歴史的」である : 池田信夫 blog

    2014年09月16日11:24 カテゴリ法/政治 人身売買の批判は「非歴史的」である 慰安婦問題はかなり煮詰まって、朝日新聞の逃げ場もなくなってきた。彼らが「強制連行はなかった」と認めた以上、残るのは人身売買である。その証拠はたくさんあり、おそらく娼婦の多くは何らかの身売りだったと思われる。これは戦前も違法であり、軍や官憲がそれを仲介した事実はないが、それを黙認していたことは明らかだ。 問題は、それに対して国家責任を認めるのかどうかという点に尽きる。これについて東郷和彦氏は、2007年にカリフォルニア大学サンタバーバラで行なわれた「歴史問題シンポジウム」で、多くのアメリカ人からいわれたことをこう記している(p.163以下)。日人の中で、「強制連行」があったか、なかったかについて繰り広げられている議論は、この問題の質にとって、まったく無意味である。世界の大勢は、だれも関心を持っていない

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  • 北欧はなぜ成功したのか : 池田信夫 blog

    2013年02月03日14:00 カテゴリ経済 北欧はなぜ成功したのか バラマキ補正とインフレ目標に続く「3目の矢」は、成長戦略だそうである。潜在成長率を上げる政策には意味があるが、経産省の張り切っている「新ターゲティングポリシー」なんて有害無益だ。それより今週のEconomist誌におもしろい特集が出ている。 アメリカやEUが不況から抜け出せないのに対して、北欧諸国が元気だ。上の図のように一人当たりGDPは世界の上位を占め、成長率も高い。その最大の原因は政府の効率性だ、とEconomist誌はいう。政府への国民の信頼度は高く、「政府を信頼する」と答えた国民の比率は50~60%とEU平均の2倍近い。 この一つの原因は政府が小さく、地方分権化されていることだ。人口が最大のスウェーデンでも900万人と大阪府ぐらいで、それがさらに小さな州にわかれて予算の独立性も高いので、国民は「足による投票」

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  • デフレの原因は名目賃金の低下である : 池田信夫 blog

    2013年01月22日11:41 カテゴリ デフレの原因は名目賃金の低下である 「インフレになっても賃金が上がらないと貧しくなる」という批判に対して、「数年したら上がる」とごまかすリフレ派が多いが、浜田宏一氏は「名目賃金はむしろ上がらないほうがいい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるからです」と明言している。つまりリフレとは、賃金を下げて企業収益を上げる政策なのだ。 彼は実証データも見ないで、日の名目賃金が上がって不況を招いたと信じているようだが、それは間違いである。書も指摘するように、日の名目賃金は下がっているのだ。次の図は日総研の調べた日米欧の名目賃金だが、特に日米の違いは大きく、この15年で80%以上の差がついている。 デフレの原因は新興国の世界市場への登場によって工業製品の低価格化が進んでいることだという野口悠紀雄氏の説明に対して、高橋洋一氏は「OEC

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  • モラルハザードと勤勉革命 : 池田信夫 blog

    2012年02月23日11:27 カテゴリ経済 モラルハザードと勤勉革命 ちょっとおもしろいブログ記事があったのでメモ。 ゴムホース大學で、ワタミの話を取り上げている。この事件そのものはよくある過労死(過労自殺)だが、それについての渡辺美樹会長のコメントが原因でツイッターで炎上している。過労自殺の起こる原因を、この記事はこう分析する:自分が諸外国の低賃金労働と日ブラック企業が違う生態系の生物だと考えるのは、労働者使い捨ての部分ではない(使い捨ては途上国も酷い)。それは低賃金、長期労働なのに現場の労働のモラルハザードが起きていない点である。それどころか賃金低下、サービスの価格低下に反比例するかのように神経症的にサービスを特化させている印象すらある。これはわが国外産業で象徴的だ。このモラルハザードの使い方は正しい。それは「倫理の欠如」ではなく、情報の非対称性を利用した合理的行動である。不

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  • グローバルに二極化する雇用 : 池田信夫 blog

    2011年09月12日01:29 カテゴリ経済 グローバルに二極化する雇用 先週のデフレの記事はわかりにくかったと思うが、ちょうど今週のEconomist誌の雇用特集に似たような話があるので、紹介しておこう。 今回の世界的な不況は、財政・金融政策がほとんどきかないことが特徴だ。企業業績は持ち直したが雇用は回復せず、アメリカの失業率は9%を超えた。この原因は一過性の景気循環ではなく、構造的な自然失業率が上がったからだ。Phelpsはアメリカの自然失業率を7.5%と推定している。 その最大の原因は、新興国との競争が激化したことだ。1990年以降、アメリカで創造された2700万人の雇用のうち、実に98%が非貿易財(国内のサービス業)によるものだ、とSpenceは推定している。そして貿易財部門の新しい仕事は、ほとんどがソフトウェアなどの高度技術者に限られている。 つまりデフレと呼ばれている現象の大

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