ジャーナリスト・まつもとあつし氏が、出版業界に転がるさまざまな問題、注目のニュースを深堀りする連載企画です! 昨年12月3日にKADOKAWAが運営する電子書籍ストアBOOK☆WALKERで、「角川文庫・ラノベ読み放題」サービスが始まった。月額760円で1万冊以上が読み放題になるというもので、登録初月は無料となるキャンペーンが行われている。 読み放題サービスは、2016年にAmazonがローンチしたKindle Unlimitedなど、すでに各電子書店の多くがスタートさせている。後発で、しかもジャンルを絞った形のこのサービスにはどういった意味や可能性があるのだろうか? ■ラノベでも進む電子書籍への移行 最近「ラノベに以前ほどの勢いが無くなってきたのではないか」という声を聞くようになった。出版指標年報などの出版統計ではラノベの売り上げが2012年に284億円でピークを迎え2018年には166